第60話 住む生活

疲れた…

話を無視してベッドに入り布団を被った


何でこんな目に合わなきゃいけないの?

こんなこと好きな先生もしてたりするのかな

気がついたら寝ていた

たぶん本当に数分くらい?


起き上がると先生はすでに着替えて

机に向かって何かしていた



「そんなに疲れた?やり過ぎたかな」



気配に気がつくの早すぎる…



「この前と同じやつ頼んでおいたから」

「来るまで休んでたら?」


はっと意識が戻ると一瞬どこにいるかわからなくなる


「起きた?」

「今さっききたから食べるよ」


また寝てた?というより落ちたという感じ



言われるがままステーキを頂く


やっぱり美味しい!!

ちらっと見ると

ナイフとフォークを慣れた手つきで食べてる先生



私とは違う生活圏で生きてる人


「先生ってお金持ちなんですね」



「え?どうした急に」



「なんとなく思っただけです…」



「変なこと聞くけど…

りょうこのご両親はそのあれか?」



珍しく気を遣ってる先生


「離婚とかじゃなくて父は亡くなりました。」



「そうだったのか。お母さん大変だったな。

りょうこもな」



そう。父が亡くなってから母は掛け持ちで働き始めた。

親戚のお世話にはどうしてもなりたくない。

口癖のように言う母。

私もわがまま言って困らせたくないし

お父さんいなくて可哀想な子に思われたくなかった。



「でも大丈夫です。」



「なんかできることあったら言ってな」


そんな優しい言葉掛けてもらえるとも思わず。

泣きそうになってしまった



「りょうこも先生になったら?」

「〇〇大学は教員になるには向いてるよ」

「俺も卒業生だから笑」



えーっ

ということはA先生も?

複雑な気持ちにしかならない



「後輩って言ってましたよね。」



「そうだよ。だから色々知ってるんだよ」



「そうなんですか…」

世間って狭すぎない?

なんでこんな身近に3人も同じ大学。

本当に目指すべきなのか…




「りょうこそろそろバイトやめないの?」

「バイト代出してあげるよ」



言ってる意味が全然わからない。

やめるのにバイト代?



「正直このままじゃ難しいんじゃない?」



ぐうの音も出ない…

学校バイト予備校は思ってたよりずっと大変だった

そのせいで成績もなかなか上がらず



「バイト代って3万くらい?」

「その時間勉強に回した方がいいよ」



そんなのわかってる

正直いらっとしかしなかった



「ごちそうさまでした」

この話は終わりにしたくて話題を変えた


「このステーキ〇〇の商品を持ってきてるんだな」

「どうりで美味しいわけだ」

メニューを見ながら納得してるけど

なんのことかさっぱりわからない



















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先生と私 忘れられない思い出 りょうこ @ayaka3737

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