第42話 正論すぎ

この服っていつまで着てればいいんだろう

ってこの服を持って帰えれないし

お母さんにバレたらなんていえばいいか…


「この服って…どこで着替えたらいいんですか?」


「あーたしかにそうだな」


「あとこの服持って帰れないです…」


「そりゃそうだな。預かっておくよ」


預かるって奥さんにバレないのか

ふと頭をよぎったけど

うちには絶対持ち帰れないし

選択肢はない



「じゃあ着替えてきたら?」

「ホテルのトイレなら着替えられるだろ」


私服の入ってる袋を手渡す先生



着替えてトイレの鏡をみると

顔と洋服のバランスがおかし過ぎて

笑ってしまった


メイクも落とさなきゃだけど

メイク落としもない

どこかで買って帰らなければ



服の入った袋を先生に渡す

「今度は違うところ行こうな」

「クリーニング出しておくわ」



「すみません…」


「俺が買った服だから笑」



外はすっかり日が暮れていた


「りょうこの家の近くで降ろすよ」


「ありがとうございます」


今日は何もなく帰れることにほっとした


近所までは危な過ぎるので隣の駅辺りで

降ろしてもらえた


「楽しかったな!」


確かに今日は楽しかったかも


「はい」



「今度のテスト、テキストの〇ページから〇〇ページまで重点的に出すから」

「しっかりやってこいよ」


「あとわからないところ、聞きに来ないとそろそろやばいぞ」



その通り過ぎてぐうの音も出ない


「はい…」


浮かれてる場合じゃないと

急に喝を入れられてるみたいだった

言い残すと去っていく高級車


家に帰るとさっきのことが夢のようで

急に疲れが出て結局なにもせず

寝てしまった


現実と夢の世界

どっちにもついていけない私がいた








 





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