第43話 日常

学校、塾、バイトを繰り返すルーティン

先生のサポートもあって

少しずつ成績は上がり始めていた


ポケベルは相変わらず鳴ることもなく

学校でも普通に接してくるN先生

放課後に教えてもらいそのまま車で

近くの駅まで送ってくれたり


あの悪夢が私の中で薄れていた

今は勉強に集中しよう

そして春休みには好きなK先生に会いにいく

それまではがんばる!って

自分を奮い立たせていた



終業式が近づいてきたある日

いつものようにN先生に教えてもらっていると

次々先生達が帰ってしまい2人きりに



「クリスマスなにしてる?」


「え?」

突然のクリスマスの話題


「バイトです」


「ふーん」

「ここ前も教えたよな?」

「思い出してみて」

「こういう問題弱いな」

○印をつける先生 パラパラとテキストをめくり付箋をつけてまた○印


「重点的にやってきて」


「わかりました」



「ここはわかる?」

「えっと…」



「じゃあ次の日は?」


「え?」


話があちこち飛びすぎる


「26は?」

矢継ぎ早に聞いてくる先生


「27は?」


「たしかバイト入ってます」


「じゃあ28はお休みな」

急に言われてその日の予定は浮かばなかった


「お休み?」


「休めないなら電話してやるよ」

 


それはつまり休めということか

やっと理解できた


「でも勉強しないと…」



「そうだよな。じゃあ一緒にやるか」

「〇〇駅に10時位に迎えにいくよ」


「え…」



「今日はここまでな あとは家でやってきて」


「あっはい。ありがとうございました」



「ついでだから駅まで乗せるよ」

 

相変わらず勝手に決めて勝手に進める先生


「ありがとうございます」


N先生に送ってもらうことに抵抗がなくなってきた私がいた














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