第38話 パーティ?

「おい」

腕をうしろにしながら


「りょうこ、腕につかまって」


「えっ…」


「離れてたら不自然だろ」


私の腕をぐいっと掴み


「もっとくっついて」


「でも…」


「なんだ?知らないなかじゃないだろ笑」



何が本気で冗談なのかよくわからない


受付で招待状みたいなのを渡す先生



〇〇って会社は有名アパレルブランドのことだったんだ


すぐに駆け寄ってくるスーツ姿の男性

「いつもありがとうございます」


「いやいや、今日は買わないよ」

「ちょっと見にきただけだから笑」


楽しそうな2人に

完全に取り残された私


「今日は2人で見るからいいよ」


「かしこまりました。何かございましたらお声がけ頂ければ」



店員さんはささっといなくなった


芸能人が持つバッグや時計

服だって一生着ることがないようなものたち



「これからでる新作だよ」

「それを売りつけようとしてるんだよ笑」


「え!?」


「嘘だよ笑」



先生は時計のコーナーで

いいなぁとかブツブツ言いながら

腕につけてみたり楽しそうにしている


値札はついてないのか?

いくらなのか全くわからない


なんで一緒にきたのか意味がわからない



まわりのお客さんもみんなドレスアップして

楽しそうにみている



「今度買ってあげるよ」


キラキラしたリングを指差してる先生



「いらないです!!」

もうこれ以上なにかしてもらうなんて

怖過ぎる



先生は顔を近づけ耳元で小声で

「変わりになにかしろなんて言わないよ笑」


こわっ…

先生が笑うときは笑ってないんだもん


「美味しいごはんでも食べるか」


また勝手に歩き始める先生

突然帰ろうとする先生に

店員さんも慌てて飛んできて挨拶していた










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