第30話 都会

ポケベルなんて持ってる意味ある?というくらい

全く連絡が来なくなっていた



家に置きっぱなしになっていたポケベルに

メッセージが入っていた


「○/○ 10じ○えき まちあわせ」


2ヶ月ぶりの呼び出し

まるで調べたかのようにバイトのお休みの日



今度こそ返してもらおう

これで終わりにしたい

そんな気持ちたけで会うことを決めた




待ち合わせの○○駅はギャルが行く街だった

そんなところもちろん行ったこともなく

早めに着いても落ち着かない


「なにしてるの?遊ばない?」


いかにもなイケイケなお兄ちゃんが

こんな地味な私に話しかけてきた


というか私じゃない誰かに話しかけてると思って

最初は無視してしまった…



「ねーねー!おねえさん!」

急に距離を近づけてくる



「あの、待ち合わせしてます…すみません」



「まじで?じゃあそれまで話さない?」

 と暇なのか?いなくなろうとしないイケイケさん



「お待たせりょうこ!」

割って入ってきたN先生


「なんなの?おっさん?」

キレ気味のギャル男さんを睨みつけ

私の肩を引き寄せると

「俺の女に何か?」とすごむ先生



「いくぞ!」

「なんであんなとこにぼーっと突っ立ってるの?ナンパされたかった」



「そんなことないです…」



「ここの駅前っていったら普通はあっちだよ。」


私のいた場所の向かいのあたりを指差し



「ここはナンパスポット。知らないのか?」



そんなこと知るわけもない

初めてこんな都会にきたし

そんな風習みたいなの知るわけない



うろたえてる私に気がついてくれたのか

「わかったよ。ここにしなきゃよかったな」

「路駐してるからあっち」



「はい…」


なんか流されて先生のペースになっていた

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