第29話 平穏な日々

あれから先生は学校ですれ違っても

話しかけてくることもなく

授業中もあててくることもなくなって

ほっとした反面少し拍子抜けしていた


車の待ち伏せも

ポケベルの呼び出しもなく

平穏な日々を過ごしていた



バイトの仕事も慣れてきたし

友達もできて充実していた


勉強はというと

相変わらず先生には聞きにいけず

自力で頑張ってたけど

進学校に何とかギリギリ滑り込んだ私

限界を感じていた



バイトしようって思ったのも 

塾に行くという目的があったから


また大好きなK先生に会いたい

同じ大学に行けたら後輩になれる!

K先生と同じキャンバスで同じ景色をみたい

それだけが私の夢だった


苦手な数学だけ塾に通うことに決意した 

少しだけ前向きになれてる自分が嬉しかった

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