第25話 ホテルなのに

大理石の四角いテーブルに置かれた

豪華なステーキ

付け合わせにスープもついていた


先生はステーキを切りながら美味しそうに食べている

なんで私ここにいるんだろう…

これがK先生だったら…なんて悲しみしかなかった


「早く食べないと冷めたら美味しくないぞ?」

 


「はい…」


食べたくもないステーキを口に運ぶ


普通に美味しい!びっくりするくらい美味しかった


「な?美味しいだろ」

「笑ってるりょうこの方かわいいな」



笑ってるつもりなんてなかった

それにかわいいなんて

先生の口から出たことにも驚いて

どんな顔していいかわからなかった



「美味しいです ごちそうさまです」



「りょうこ奢ってもらう気満々だな笑」



「ごめんなさい!そうじゃなくて…」



もう何を言ったらいいのかわからない



「冗談だって!沢山食べて栄養摂れよ」

「なんか保護者みたいだな」


本当に!だからあの男の子も不思議な顔してたんだもん 


愛想笑いするしかなかった





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る