第22話 知らない世界
「やる気が起きなくて…」
聞いてるのか聞いてないのか
そこはスルーしてくる先生。
「なにか美味しいもの食べに行こう」
別にお腹なんて空いてなかった。
「はい…」
「だからはい、じゃなくてさ
うんとかでいいよ」
「わかりました」
「わかってないよね(笑)」
なぜかN先生は楽しそうだった。
しばらくすると南国っぽい
コテージがある大きいお城みたいなお店についた。
なぜか車はお店の少し中の方まで入れる作りだった。
駐車場に停めるとさっさと車から降りてしまう先生。
慌てて私も付いていくと、お城の入り口みたいな自動扉が開いた。
中に入ると先生はまた私の手を繋いできた。
「なんでそんなに離れてるの?」
レストランに入るのに手を繋ぐとか
恋人同士でもないのに私には理解できない。
お店に入っても大きなエントランスがあって
店員さんもお客さんもいなかった。
???
さらに奥に進むと、部屋がたくさん並んでるパネル。
え?これって?もしかして??
「どこがいい?」
普通の会話のように聞いてくる先生
「何か食べるんじゃなかった…?」
「いやいや(笑)ここで食べれるよ」
ようやく理解した私に気がついたのか
「あーそうか。そうだよな。わからなかったか。」
「中に入ったら教えてあげるよ」
また頭を撫でてくる先生。
「えっでも…本当にもうこういうのはいいです」
「じゃあ決めちゃうね。」
タッチパネルのボタンを押して
私の手をさっきより強く握りながら裏側へ。
部屋の鍵は裏側からでてくるシステムだった。
そのままエレベーターに乗せられた。
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