第16話 好きなK先生に会いにいく

大好きなK先生に会いたい。

こんな汚れた私で会えない。

もう一生会っちゃいけないの?

いつかK先生とそんなことがあったらいいななんて、淡い期待を抱いていた私に戻りたい。


ぐるぐる回ってわからなくなった。

でも結局制服に着替えて

学校をサボったことはなかったことにして、

K先生に会いにいった。

全部本当になかったことにしたかった。



部活の時間。

体育館からはバスケ部の声が聞こえてくる。

K先生だけに会いたかった。

体育館横の教務室?みたいなところなら、タイミングが良ければK先生に会えるはず。



恐る恐る部屋を開けると…

誰もいなかった。

でも椅子にはK先生のジャンパーが置いてある。


そっと近づいてそれに触ってみた。

まだ温もりが残ってる気がした。

部屋を見渡してると突然ドアが開いた。   


「〇〇、元気だったか?」

そこには変わらないK先生がいた。


「はい。」

なんて思いっきしウソをついた。


「大人っぽくなったね」


社交辞令でもそんなこと言ってくれるなんて嬉しかった。

 

「まだ高校生になって2ヶ月しか経ってないよ」

照れ隠しにそんなこといっても

先生の顔はちゃんと見れなかった。


「2ヶ月か…」

 

机に置いてあったカロリーメイトを手渡す先生。

「お腹空いてる?」 



「いや、あんまり(笑)でも食べる」

なんだかK先生が可愛く見えた。







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