第7話 卒業式


それはもう先生に会えなくなるということ。

最後の日くらい先生から声をかけてくれるかな?なんて、甘い期待をしていたけどそれどころか先生にさえ会えなかった。


みんなが写真を撮ってワイワイしてるとき、こっそり職員室にいってみたらK先生は自分の席に座っていた。


私を見つけると

「卒業おめでとう」と声をかけてくれた。


「ありがとうございます。」


「でも先生に会えなくなるの寂しい」

先生の机に目をやると、卒業生からのハガキが机に大切そうに飾ってあった。


「このハガキって?」



「あーこれは卒業生からもらったんだよ」


ちらっと見ると

先生好きです!みたいなことが書かれてる内容。


何気に先生を好きな子が多いって噂は聞いたことあったけど、私の周りにはいなかった。

それに担任の先生としてのK先生を私は知らない…。



奥さんがいる先生に嫉妬っていうのはおかしいけど、私の方が先生を好きだという気持ち。


「卒業したら先生に会いにきてもいい?」


「いいよ。いつでも来て」

「お酒飲めるようになったら飲みにいこう」


「本当に??」

そんな提案を先生からしてくれるなんて嬉しすぎた。


「高校生になったらまた遊びにおいで」


「うん。本当にきてもいいの?」



「いいよ。」  



いつでも会いに行ける。二十歳になったら飲みに行ける♪

たとえ口約束でもそんなこといってもらえただけで幸せだった。







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