第6話 告白

勝手に色々考えて悶々としてしまった私。

卒業まであと数日だった。


あとちょっとしか先生に会えない。

好きな気持ちは抑えられなくなっていた。


教科担任だったK先生は私達の階にくることは授業以外なかった。

なのにその日は偶然すれ違った。


「先生!」


廊下の少し先で振り返る。

周りには奇跡的に誰もいなかった。


「どうした?」


私の方に向かってくる先生。


「あの、この前はありがとうございました」

「あと私、先生のこと好きです。」


気がつくと告白していた…


先生は少しだけ微笑むと

「ありがとう。」

「嬉しいけど、結婚してるからどうしようもできないよ」



明らかにフラれてるのに

なんか嬉しかった。

自分の気持ちを伝えられたことも

先生がありがとうといってくれたことも

それだけで充分だった。


「それでも好きです」


言いたいことだけ言って逃げた。


なぜかK先生の前だと自分でもびっくりするくらい大体な行動をしてしまう。

そんな私がいるってこともこの頃初めてわかった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る