第3話 アクシデント

 この話は、私が小学生の頃の話である。

 ある日、音楽の筆記テストがあった。


 順調に回答していた私は、とある問題で頭を抱えることになる。

それは、音楽記号の名前と意味を答えるものであった。

「<《アクセント》」の名前が出てこなかったのである。

時間ギリギリまで必死に考え、何とか思い出した私は無事に回答を終えた。


 後日、テストの返却があった。

テストを確認すると、回答には×がついていた。

(何故だろう? 先生の採点ミスかな?)と思い、今一度確認した。


 私の回答はこうだった。

“アクシデント”

ーーそう。先生の採点ミスではなく、私が「アクセント」を「アクシデント」と書いていたのである。


 そして、テストの解答と解説の際に先生より一言。

「“アクセント”を“アクシデント”と書いた人がいます。“アクセント”を“アクシデント”と書くことの方がアクシデントです」


 自信を持って書いただけに、恥ずかしさは倍増になった時間であった。

そんな青春の1ページ。


ーー皆様もケアレスミスには、ご注意を。

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