第37話 『異世界』
それからというもの3人は少し気まずいまま昼食を食べて「ファンタスティック」エリアに向かっていた。先程からミウとヒカリは会話をする事もなく、なんとも気まずいまま2人の先頭を歩く俺であった。
そんな感じで「ファンタスティック」エリアへ歩いてきた俺達はまたもや足を踏み入れた瞬間に目を奪われる
小さな粒子が中を舞う様に漂い、カラフルにあらゆる色が浮遊し交差し、まるで光の粒子に意思がある様に漂う空間に思わず息をを飲む。
「ほぉ〜まさにファンタスティックに相応しい空間だな」
「想像以上に綺麗ですね」
「まるで異世界みたいね」
この世の理をすべて覆すが如くまるでファンタジーな空間がそこに広がっていた。
綺麗な光の粒子が漂う中暗い空間にまるでファンタジーに出てくるような露店が出ていて活気あふれていた。
「まるで異世界に来たみたいです」
「そうねー雰囲気が違うわね」
「ここは異世界ファンタジーを意識したエリアなのかな」
すれ違う人や露店に立っている人たちを見ると各々見たこともない衣装や格好に思わず息を呑む。
(物凄い作り込みだなここは…ミウもヒカリも思わず見とれてしまう程作り込まれた世界観だ…)
まるで先程居た世界が偽物と思わせるほど作り込まれた異世界感。そんな現状に思わず息を呑んでしまうのは無理もないことであり、この後乗り込む「乗り物」に期待感を抱かざるを得ない…
「たしか、次に乗る乗り物ってあれよね…」
「そうだな…結構おもしろそうじゃないか?」
「私自信ありません…」
そう言って辿り着いた先は異世界に転生された主人公が魔物に立ち向かうために魔物を倒しレベルアップして最終的に魔王を倒すまでを体験できるシュミレーション型「異世界に転生されたけど無双武器で世界に平和をもたらします!!!」という名前のアトラクションだった。
受付まで行くと見たこともない格好をした受付嬢が
「ようこそ!!「異世界転生したから無双する!!」へ!」
なんとも受付嬢に似合わない言葉を口にする受付嬢。俺たちはこれに乗りたい旨を告げて説明を受ける。
「はい!こちらは「勇者」「魔法使い」「僧侶」やその他諸々の職業を選択して頂いてから各々のスキルを駆使して魔王を討伐してもらうアトラクションとなっています!」
「へぇなんだかおもしろそうだね」
「私!魔法使いやってみた!」
「私は皆さんをサポートできるような職業に…」
などと話していたら受付嬢が各々適正のある職業を決めてくれてそれに従うことにした。
俺は「勇者」、ヒカリは「魔法使い」、それでミウは「僧侶」
ミウは全てを癒してくれる能力を持ち、ヒカリは高火力魔法が使える魔法使い…
そして俺が異世界を救うべく召喚された異世界勇者と任命された。
「皆さんの職業が決まったでこれから簡単な説明に映りたいと思います。まずそれぞれがなった職業ごとに色々スキルが使えます。アトラクションが進むにつれてスキルを使うタイミングが難しくなってくると思いますが最後までクリア出来れば報酬として『限定プレゼント』がございますので皆さん気を引き締めて挑んでいただいたらと思います!」
元気よくそういう受付嬢にただただうなずく3人。
「俺が勇者だって」
「私なんて数世紀に現れるかどうかの高ランク魔法使いよ!?」
「わ、私も皆さんの回復担当と少し魔法を使える僧侶らしいです」
「なんだかわけわからないけどおもしろそうだなここ」
「そうね!魔法なんて使えないしどうやって放つのか楽しみだわ!」
「兄さんを…癒せる…」
各々思いがある中受付嬢からの説明は続く。
「ではこちらの乗り物に乗って数々の異世界を救うべく協力してもらいます!銃の形になったコントローラーは倒したい敵に照準を合わせればその的に攻撃を自動でしてくれます。ここぞという所で引き金を引けば各々の職業に割り当てられてスキルを使用しますのでタイミングが合えば最大限の効果を発揮します。逆に引き金を連打した場合ペナルティーとして少しの間スキルも攻撃も行えませんがご了承してください」
各々に授けられたスキル「勇者」は「聖剣エクスカリバァ」・「魔法使い」は「メテオ・ブラック」・「僧侶」は僧侶以外全てのHPが0だとしても一度だけ「リメンバー・ミィ」というスキルが使えて全てのHPとMPを元に戻すというスキルが使える
「だいたいルールはわかったな皆?」
「えぇ、魔法使いとしてこの世界に平和をもたらせてあげるわ!」
「皆のために私は尽くします…」
さっそく各職業に感情移入した3人は乗り物に乗り込みアトラクションへと挑む
「では異世界の救世主と有らん事を…」
という言葉を残したウサミミを着けた受付嬢を見ながら乗り物に乗り込むアキラ一同であった…
俺の妹と付き合いたい!って幼馴染に恋愛相談したら、幼馴染の様子がおかしくなってきた件 アスパラ・トマト @asupara-tomato
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