第2話 馬の耳に念仏
PM10:00
バフンッ
自宅に戻り、そのままキングサイズのベッドへダイブする。
(今日はもうミウは寝ちゃったなー少しでも顔を見たかったんだが)
ミウの顔が見れなくて心底残念だが明日からの作戦を考えると心が踊る。
とにかく明日から俺はヒカリの彼氏としてがんばるしかない...
ヒカリの言ったことをもう一度思い返す
。。。
。。
。
_____________________________________________
「明日から私の彼氏になってね」
「ふぇあ!?」
おっといかんいかん変な声が出てしまった!完全無欠の俺様にあるまじき声が出てしまった恥ずかしい…気を取り直さないと。俺と妹の運命がかかってるんだ。
「ど、どういうことかな?」
ガバッ!っとヒカリが机の上に身を乗り出してきて2つのでかい胸が跳ねる
「これは作戦よ!アキラくんと私が付き合えば絶対にミウちゃんは気になるはず。まずはアキラくんに注意を向けることが大切なの!ここまではいい?」
「あ、あぁ…」
どういうことだ??注意を引く?一緒に暮らしてるんだから注意もへったくれもないような気がするのだが…いや、待て俺。恋愛マスターの言うことだ、俺の理解のはんちゅうを越えた作戦に違いない。なんだかオラワクワクしてきたぞ!!
「それで明日からどうすればいいんだ俺は!?」
「待ってアキラくん!」
ピッと俺の目の前に待て!っと言わんばかりに手を伸ばすヒカリ。ビックリしてビクッってなってしまったじゃないか…
「焦りは禁物よ。話を聞いて」
「は、はい」
「まず厳密に言うと、私たちは実際には付き合いません」
ど、どういうことだ...ヒカリの言ってる事が1mmもわからない。
「どういうことでしょうか?付き合うのに、付き合わない?なんか矛盾してない?」
「チッチッチ」
またしても俺の目の前で人差し指を左右に降る。この矛盾の回答を持ち合わせているのかヒカリ!?
「私たちが付き合ってるって噂を流せばミウちゃんも気になるはずよ。そうなれば毎日毎日アキラくんの事を考えているうちに、お兄ちゃんであるアキラくんの事しか考えられなくなってあら不思議!いつの間にか好きになっちゃってるって作戦よ!そのためには明日から彼氏のふりをして欲しいの。実際に噂止まりで終わったら、そこまでミウちゃんはアキラくんの事を想ってはくれないわ。だから明日から私の彼氏のふりをしてミウちゃんの気を引いてほしいの...わかった?」
俺はヒカリをじっと見つめる...そして
「て、、、て、、、」
「て?」
「て、、てん、、、」
「てん?」
「天才だぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!ここに天才がいまーーーーーっす!!!!ヒカリは天才でーーーっす!!!!さすが恋愛マスターヒカリ!!!!すごい!!すごいぞ!!その作戦!!」
俺は立ち上がり鼻から煙が出るが如くヒカリに向かって大声で叫んでいた!
なんという事だ!ヒカリがここまで天才的な才能を持っているとは思わなかった!さすが恋愛マスターだ!俺は間違っていなかった!
何重にも張り巡らされた裏の裏の裏をかくような作戦に加えミウの心理を完璧に読みきった見事な作戦。まさに眼から鱗!青天の霹靂!馬の耳に念仏!あ、これは違った。
とにかく!俺が何年たっても辿り着かなかったミウと付き合う方法に意図も簡単にたどり着いてしまった...戦略的で年密な高度な作戦に俺は涙を流した
「ア、アキラくん?」
じっとヒカリを見つめた。自分が俺と付き合う事で他の男子と遊ぶのに支障がでるはず。なのに!...なのにヒカリは自分を犠牲にしてでも、俺とミウのためにこの作戦を考えて実行に移してくれようとしている。なんて慈悲深いんだ...
そんな事を考えているとヒカリの顔が赤くなり視線を反らした。
「あんまり見つめられると...照れる...」
「す、すまん!ヒカリに感動しすぎてつい見つめてしまった。こんな近くに天才がいたなんて...ありがとうヒカリ!明日からこの作戦で行こう!!」
自分の才能に照れるとは...さすが恋愛マスターだ。これからはヒカリの指示で動こうと誓う。
「わかった!じゃあ詳しい話は会った時に、後色々LONEもするからチェックするようにね」
「あぁ!ありがとうヒカリ!なんだか救われた気分だ。本当にありがとう」
「う、うん。...あ!明日一緒に登校した方がいいね。明日迎えに行くから一緒に学校行きましょ」
「わかった。じゃあまた明日なヒカリ!おやすみ!」
「おやすみなさいアキラくん」
そうして俺は自分の部屋のキングサイズのベッドにダイブした。
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