俺の妹と付き合いたい!って幼馴染に恋愛相談したら、幼馴染の様子がおかしくなってきた件

アスパラ・トマト

第1話 白金アキラと恋愛マスター

俺の名前は白金 アキラ(しろかね あきら)


 17才の高校2年生で幼い頃に両親を亡くしてから、1つ下の妹「白金 ミウ」と一緒に二人で暮らしている。


 昔はボロいアパートだったが、今では一軒家を購入し不自由なく暮らしている。


 なぜかって?俺の天才的頭脳によってFXで大勝し総資産は500億円を超え、飲食店を経営し、成功したら更に店舗を増やす事数十回。今では名の通る飲食店経営者として寝ながら金が入ってくる状況までに至っている。俺が経営者って事は妹ですら知らない。ふふ、才能ってのは恐ろしい。


 そんな俺は妹が大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きだ。



 おっと気持ち悪い目でみないでくれよ?愛の形なんて人それぞれだろ?それに俺は手に入らないものなんてない。名誉・地位・金。全て揃ってる。そんな男に落ちない男はいない。


 子供の頃からバレンタインデーにはチョコ10個以上もらっていた俺はモテる。まぁ皆から引くほどモテる。そんな俺に唯一振り向かないのは妹。お前だけだ。そんな妹が俺は大好きでたまらない。たまに夜中寝ぼけて妹の寝室に入っていったていで隣に寝ようとしたら思いっきり蹴られ顔を殴られゴミクズを見るような視線を向けられ「消えろ」と一言言い放ち部屋を追い出された。そんな所がたまらない。ニヘラッ…おっとニヤけるな俺。


 だが、現実問題厳しい。兄と妹。この血のつながった壁はエベレストよりも高く、万里の長城よりも長い。だがそれは一般人の話である。



 俺?俺は金も名誉も地位もある。他の一般人とは違うのだよ!必ず俺の愛する妹と付き合ってやる!!と息巻いたものの…


「と、言うことでどうすれば良い…」


 妹への愛をオブラートに包みながら説明した。


 モテる俺だが昔から妹しか眼中になかった俺は恋愛経験0なので幼馴染の恋愛マスターに相談しに行ったのだ。


「アキラくん・・・今の話本当なの?」


 幼馴染である『天超 ヒカリ(あまごえ ひかり)』が悲しそうな目をしてこちらを見てくる。



「天超 ヒカリ」ー ボロアパート時代から隣に住んでいる同い年の幼馴染。妹と幼馴染が仲が良かったのでボロアパートを更地にしてそこに今の豪邸を建てた。才色兼備で隣街の学校からですらヒカリを見に来る美貌の持ち主。(俺は妹しか見えてないのでよく理解できない)勉強も常にトップクラスで先生ですら一目置かれており、いつもどこかしらで告白されているほどモテており、男の噂が絶えないほどモテモテなのだ。俺は陰ながら恋愛マスターとして一目置いている。


「あぁ…だからこうして恋愛マスターであるヒカリの元へ来たんだ」

「恋愛マスターって私そんな風に見られてたの!?」


 びっくりして目を大きくさせている。どうしてそんな驚くのか理解できない。


「だって、ヒカリモテモテじゃないか学校どころか街ですら声かけまくられて、色々な男と付き合っているって話だぞ?俺は恋愛に関してヒカリの事は一目置いている」


 さらに目を見開いて驚くヒカリ。あれだけ噂されてバレていないと思っていたのかなぁ…


「そんなわけないでしょバカ!!!何が恋愛マスターよ!何が色々な男と付き合ってるよ!私はまだ誰とも付き合ったことないんだから!だって!だって…」


 声を荒げて怒ったと思ったらシュンとしてしまったヒカリ。誰とも付き合ったことない…?そんなわけない。俺もヒカリが学校の校舎裏で何度も違う男と話をしているのを目撃している。なぜ嘘なんか…まさか!俺が恋愛経験ないのを会話から察して俺を励まそうとしている!?なんて優しい心の持ち主なんだ…



ヒカリの優しさに感動していると



「本当にミウちゃんの事が好きなの…?」


 ヒカリは目に涙を溜めている。おいおい…俺の妹への愛情に感動して涙を流してくれるってのか…ヒカリ…そこまで俺の相談に親身になってくれるなんて…これはヒカリのためにも俺は妹と付き合わなければと決意した。そして


「世界中の誰よりも好きだ。妹のためなら死ねる。それくらい好きだ!だからどうにか付き合えるようにアドバイスが欲しい!この通り…頼む!」

「!!!」


思いっきり土下座した。金も地位も名誉もあるこの俺が、なんでも手に入るこの俺が、妹と付き合いたいという人生で叶えたいただ唯一無二の願いのために土下座した。


しばらくすると


「…顔をあげてアキラくん。」


 恐る恐る顔をあげる俺。そこには涙を流しプルプル震えているヒカリの姿があった。


「…いいわ。アキラくんのために手伝ってあげる。」

「ヒカリ!あり「ただし!」」


 ありがとうと言おうとしたら遮られ



「ただし!私の言う事は何よりも最優先…これが条件。いい?」



 ヒカリの表情は何かを決意した顔だと思わせた。



 俺の唯一の願い。大好きな妹と付き合う。俺だけではどうすれば良いかわからなかった。だけどやっぱり恋愛マスターヒカリに相談してようやく俺の夢へ一歩前進できる。そう思うと涙が溢れ出そうだ。ヒカリは俺の相談に涙し、俺の恋愛経験のなさを見透かしてあえて付き合ったことないという嘘までついて相談に乗ってくれた。そんなヒカリのためにも俺は妹と付き合って幸せになる。そのためならどんな事だってやってやる!!!!




そう決意してヒカリを見る



「わかった。ヒカリの言うことは何よりも最優先事項とする。」

「じゃあ…」



しばらく沈黙した後ヒカリは口を開いた。




「明日から私の彼氏になってね」



 こうして幼馴染の様子がこの日を境におかしくなっていくことを、今の俺はまだ知らないのであった。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る