第7話 卒業式の身勝手な告白(激・短いm__m)

卒業式。さすがに家族の人も多い。バチサレム高等学園中央学科は220名入学して卒業するのは43人前後が多いが、うちの学年は41人と少ない

バチサレム高等学園の卒業率の低さは、定期試験のシステムにある。年4回実施される定期テスト。この定期テストのうち1教科でも赤点だった場合、即退学となる。これがペーパーだけならもう少し生き残るだろうが、体術、魔術、ダンス、食事マナーなども試験がある。特にダンスと楽器演奏は大量退学者製造機と化している。

入試5次まであって、卒業率が18%。最高の学問、教養を手にした者には明るい未来ばかりではない。時として学歴が足を引っ張る。

しかし、逆に学歴が助けてくれる。もともとバチサレム高等学園の卒業生は深くつながりあう。それが他校と違うバチサレム高等学園の強み


人数が少ないので、こじんまりした感じで進み、アットホームな雰囲気で終わった。

空が高い、絶好の卒業式日和。告白日和。

ジークは基本ゆるキャラ。しかしそうでないジークもいる。このジークは相手に拒否させない強い視線といつもと違う有無を言わせない口調。

「我慢してきました。やっと終わりです。お嫁さんにはすぐにできないですけど。でも必ず迎えに来ます。僕を信じてお付き合いしてもらえませんか」

「あなた二股かけているでしょ?」

「だれと???シャルですか?シャルは確かに特別な存在です。ある意味特別枠でもあります。ですから、二股と言われればその通りです。まだ告白もしていませんが」

「教授」

雰囲気と話題を変えるため、わざと声をかける。

「知っているんですよ教授が無理を通していたことも、便宜を図ってくれたことも、生徒じゃない男として考えていたことも。もう僕は生徒じゃない。単なる男です。」

ここで口説きモードに雰囲気を変えるジーク

「先生僕が卒業したのにお祝いの言葉は?」

「教授は言葉にできないみたいだから直接言葉をもらうよ。」

「好きです、愛しています」

25年以上聞き続けた魅惑のボイス。でも今回のような強烈なのは初めて。

そして唇が合わさる。もはやなすすべなく唇も舌も口の中全て蹂躙する。そして堕ちる時間「あ・あ・・あ…あ・・あ・あああ・・ンンン!ンンン!」

「気持ち良かったよシェリル。愛してる。」

周囲はジークとシェリルの苦労話を知っているのでオーバーアクション気味になっていると思ってる

しばらくしてシェリルもほかの学生のところに行ったので、ジークもう一人の大切な女性のもとに向かう。シャルは会場の外れ近くにある木にもたれかかっていた


「ドレスが汚れるぞ。」

「どうでもいいわよ、告白成功おめでとう。」

「一応ありがとう、半分しか成功してないけど。」

「あんな激しいキスしておいて。」

「もう半分はシャルなんだ。」

「二股かけている最低。」

「あの時点ではかけてない」

「でも二股には違いないでしょう?」

「違わない、自分の心を満たしてくれる女性を探している。そしてシャルもその一人。ただ、シャルはなんというか特別枠、そして、絶対なくしちゃいけない女性」

「それ、教授に知られたら失礼でしょ。」

「教授は知っている。僕はシャルの心が知りたい。」

「どうして私なの。」

「答えなんかない、シャルだから」

「・・・」

「シャルがシャルだからシャルが欲しい。ただ、シャルが欲しいんだ。」

「うん?・・・いいよ。ジークの物になってあげる。」

柔らかい笑顔を見せ、そういう彼女。

「キスはしないの?」

からかい気味の言葉

「他の女性と濃厚なキスをしておいて、すぐ他の女性とするのは何というか、場所を選ぶ?」

「そういうものなの?」

「たぶん」

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