02.Memory recording device

 私はそれを見て迷わず横にあった記憶接続媒体とやらを手に取り、見たこともないコネクタ形状をしたレセプタクルを見つけ、メモリーレコーディングデバイスから伸びている同じ形状のプラグを差し込んだ。ほかにコネクタがないことを確認したのち、ヘルメットのような形をしたそれを被った。

『生体反応を確認しました。これより記憶の挿入を開始します。許可する場合はエンターを押してください』

 それが急に喋り始めた。驚いたが、声に従いディスプレイに表示された『Enter』をタップする。

『許可されました。記憶接続媒体を外さないでください』

 という声と同時に、私の意識がグンと薄くなった。眠りに落ちるように、私は目を閉じる。

 ひと時の静寂。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る