新廻魚

North

第1章

01.プロローグ

『これは、私の人生における膨大な記憶の中の、特に重要な部分を記録したメモリーレコーディングデバイス(Memory recording device)である。これを読んでいる者がいたとして、勇気を出してこれを横にある記憶接続媒体と接続し、私の記憶を取り込んだ上で役立ててもらえれば幸いである』


 ――私の父さんの職場で見つけた装置のディスプレイには、そう書いてあった。

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