レジスタンス基地にて②


「ええ、ソウコウ殿は我が国奪還にご協力いただいているわけです」


 クレスはそう答える。



 更に言えばクレスのフォローにより分かったことが数多くある。


 まとめると、こんな感じだ。 


 ・クレスの妹はノーザンテースト帝国に嫁いでいる。

 ・親族である兄を心配していること。そのおかげか本来なら入手不可能であるノーザンテースト帝国で入手した手記が、ノーザンテースト帝国経由でクレスに届けられている。

 ・嫁いでいること、軍事同盟でもある為イーストウッド国奪還の為戦力を出してもらっている。



 ――大まかにこんなところだろう。



 何よりも俺たちが向かうダンジョンもいろいろ問題がある。

 通常のダンジョンならともかく、

 入った人が帰ってこないとされている【不帰かえらずのダンジョン】という事だ。手記がある以上必ずしも帰ってこれないわけではないけど、帰ってこれない確率は高いだろう。そして、クレスはこの国の第3王子というわけだ。


 上の2人の兄は亡くなっている為、事実上のイーストウッド国の血統だ。


 この調子だとクレスは【不帰かえらずのダンジョン】へ一緒についてくる気だろう。


 もし帰ってこれなかったらどうするつもりだろう。



 そう思っているとその話に突入する。




「クレス王子。それではこちらの指揮権限をお返しします」

「いいえ、ソウコウ殿。私はこのまま【不帰かえらずのダンジョン】へ行きますのでこのまま現状維持でお願いします」


 ソウコウ殿はそういうが、クレスはそれを断った。


「な!」


 周りの空気は騒然となる。


 エリナ、アズラック、アリーシャは顔色を変えていない。

 この3人はどうやらそのつもりでいるようだ。


 ――俺? 正直部外者もいいところなので黙って傍観するしかない。




 ~~おしらせ~~ 


 連載再開します!


 週1更新を続けるため文字数は少し少ないかもしれません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る