2部 オラトリオ編

冒険者の街オラトリオ

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あらすじ:レジスタンス基地の報告から


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 ***数日後***


 あれから俺たちは不帰かえらずのダンジョン向かうべき、イーストウッド国から北西にある【オラトリオ】というダンジョン都市に向かっていた。


 向かう俺たちの中にクレスもいる。


  結構もめたようだが、もし数年帰ってこなければイーストウッド国は、アリサに権限を渡すという公的証書を書き、ソウコウ殿に渡したようだ。


 これにより、ソウコウ殿をはじめとした他国の人間は納得させた。


 あくまで他国の人間であり、同盟関係とはいえこんなに美味しい話は無いという事か。



 問題はイーストウッド国に居る重鎮だが、そもそも上位の貴族は先の戦争で亡くなっており、下級貴族しか残っていなかった為、クレスの説得に無理やり納得したようだ。


【オラトリオ】は元々中立都市だった為、冒険者の身分である俺たちが入るのは問題が無かった。



「ようこそ、オラトリオへ!」


 門番に居る城兵から歓迎を受ける。



 大きな門をくぐると、町並みは外観は一般的に白すぎず、黒すぎず、灰色がかった薄い黄色、いわゆる砂色の濃淡のある石壁。


 日本に住んでる人間からすれば、田舎の築50年ぐらいのメンテナンスをしない壁みたいな色だ。



 そういえば、あの友人たちに

「無人島に行こう!」

 と言われて行った先の家も真新しい家は無かった。まさに田舎の港町って感じのような家が並んでいたことを思い出す。



 俺たちはとりあえず冒険者ギルドへ向かう……つもりだったのだが。


「くうとくん、あれ美味しそうだねっ!」


 俺たち、もとい、アリーシャと2人でいる場所は、屋台が並ぶ町の広場だった。



 例のごとく、アズラックは情報収集に出かけており、クレスがそれについて行く。

 今回はエリナも付いて行ってるので、俺とアリーシャ二人で露店を見ることになった。



「くうとくん! あれも買おうよ!」


 両手に豚の串焼きやら鳥の串焼きのようなものを持っているアリーシャが言うのだ。


「なぁアリーシャ、―――それ食べてからにしないか?」


 ちなみに俺はそれぞれ1本ずつ購入しているが、、アリーシャは3本ずつ購入していた。


 当たり前だが、俺のほうが食べるのが早い。


「だめだよ、くうとくん! もっと食べなきゃ!」


「いや、俺はもういいや。――それよりそんなに食べて大丈夫なのか?」


「大丈夫だよっ! 今のうちに体力付けておかなきゃねっ!」


 体力をつけて一体をするつもりなのだろうか?


確かにあれからアリーシャと二人きりになる機会が無かったものの、一度味わった快感というのは忘れられない。だが、そのまま惰性に流されていいのだろうか?


 というか【魔眼】のスキルで未来予知ができるみたいだけど、アリーシャはいったいどんな未来を見ているのだろうか?


 そんな俺は、口の周りを串焼きのタレだらけにしたアリーシャの為に。手持ちの手ぬぐいに水魔法で水をだして濡らして、濡れタオルを用意しておく。



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 露店周りが終わった俺とアリーシャは、他の3人探すためには冒険者ギルドへ出向くことにした。



 俺は今のランクは、王都のドタバタに巻き込まれて最低のFのままだが、今のところ困っていない。


 だけど、本来はここで危機感を出すのが正解なんだろうな。


 何せ俺は他の4人に生活を見てもらってる、いわゆるヒモ状態だ。


 確かに王都で少しモンスターの討伐に参加したとはいえ、ほとんどオンブにダッコが今の俺である。




 相変わらずこの冒険者ギルドのドアは西部劇のようなドアだな。



 冒険者の本場ともいえる【オラトリオ】でこれだと、どこの冒険者ギルドでも一緒なんだろうな。



 入ると怒声が聞こえてくる。


 ――その中心人物は、俺の良く知る人物だった。

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