【幕間】湯けむり、裸の手ほどき②
――――あれからだいぶ時間が過ぎた。
アリーシャを襲った狼は姿を消し、何事もない日常に戻っていった。
そして俺の心はすっきりしている。
…………ただ、超えてはいけない一線を越えてしまったことだ。
これにより防波堤は無いに等しい。
これからはアリーシャを大事にしないといけないな。うん、これは大切にしよう。
――さて、俺は今はどこに居るかというと、臨時で作った温泉付近にある四方壁によって囲われた室内にいる。と言っても空には青空が広がっている。
エリナは今、完全武装して周りを警戒している。十八番のダンススキルまで纏わせて。
エリナさん、あなたは一体何と戦っているんだ?
俺もアリーシャも薄着だが服を着ている。この世界ってブラは無いのか? アリーシャの下着姿しか見たことが無いからわからんけど、今はそんな事を考える気が起きなかった。
――もっとも俺は、そこでは先ほどまで横たわっていたわけだが。原因は目の前にいる。
「くうとくん、凄かったよ! 明日もしようね!」
ごめん被る。今回のようなペースでやったら死んでしまいます。考える気が起きない理由の女が目の前にいる。
最初の1回戦は俺から襲ったからなんだが、その後数分空けずに2回戦目に突入したのだ。アリーシャ主導で。
まだその時は体力が残っていたから果敢に攻めたのだが、すぐに2回戦目は終了した。
体力的にも、いろいろアレ的にも限界だったのだが、あろうことに3回戦目に突入したのだ。
アリーシャって人の思考を読んでいるのか感がいいのか? 俺のその時に思っていたことを当てるんだよな。
2回戦目と3回戦目の間には少し間があった。
理由は露天風呂の傍らで仰向けになって寝てる俺の前で、エリナとアリーシャが言い争っていたからだ。
その時のことは少し覚えている。
エリナにも協力しろと言っていたようだ。
そのままエリナが拒絶していたらそのまま終わっていただろう。
―――しかし、そんなことにはならなかった。
目の前でエリナが巻いていたタオルを脱ぎ、顔に2つの谷間を押し当てられた。そしてアリーシャは、俺の下のほうに乗ってきて第3ラウンド開始をした。
エリナはあくまでアリーシャの言うとおりにするだけで、最後はアリーシャになったから、そうゆう意味ではエリナに迷惑をかけなくてよかったと思った。
何がアリーシャになったって? あまり深く追求してはいけない。
そんなわけで俺は、通常時の7割~8割近くを体力を失っている。この世界だとそうゆう行為すると殆ど魔力もカラになるんだよな。
あの元気なアリーシャでさえ通常よりも体力がなさそうだ。だが、肌がテカテカしてる。逆にアリーシャは魔力に関しては十分ありそうだ。
そこで話が戻るが、
エリナが臨戦態勢をとってるわけだ。ここで魔獣に襲われたら俺とアリーシャは、まともに戦えないからな。………いや、アリーシャは魔法なら援護できそうだが。
せっかくの機会だから、さっき気になった事を思い切って、色々聞いてみることにした。
「アリーシャ、お風呂のとき魔法つかってたよな?」
「うん、使ったよ!」
「不得手と言ってたから使えないものだと思ったけど、そこそこの威力あったぞ」
そう、普段は大剣に魔力を纏わすだけで実質的な魔法は使ったところを見たことが無い。強化魔法系なのかと思ってたわけだ。
「うんとね、あまり普段使わないのは、得意じゃないからだよっ」
「おいおい、それ答えになってないぞ?」
「そうだね、わたしはエルフ族なんだよっ。だから本来魔法は得意なんだ。でも、私は歴代の勇者の血が入っていてね、他のエルフ族と比べると少しおとるんだよね」
という事は、エルフの血が薄いってことか。この世界の常識は知らないが、クレスほどとまではいかないにしても、エリナには勝ってるような気がするんだが。
「くうとくん、エリナは特別だと思うよっ」
そうか……ん? 俺口に出して言ってたっけ………?
そうだ、この違和感だ。アリーシャと行動するとずっとこの違和感を感じてたんだ。
「なぁ、ふと思ったんだが、俺の考えはアリーシャに読めるのか?」
「やっぱり分かっちゃったかっ! くうとくん頭もいいんだねっ」
「あぁ、なんとなくそんな気がしてたんだが、それも魔法なのか?」
「ううん、これは違うよ。これはね、【ギフト】って言われる生まれ持った能力なんだよっ」
ほう、ギフトときたか。いわゆる才能ってやつだな。神器だったり、ギフトだったり、目に見える特殊能力ってすごいよな。
「でねっ、あたし、くうとくんが何を考えてるのかある程度分かるんだ………」
そう言うとアリーシャは顔を下に向けた。
「くうとくん……あたしってずるい女だよね? ごめんね」
涙を流してアリーシャは話をしていた。
――え? ここまでで謝る要素あったっけ?
「アリーシャ?」
「だってね、あたしのわがままだもん。あたしのわがままに半分くうとくんを巻き込んだようなもんだもん」
ますますもってわからんぞ。だって襲ったのは俺の方だし、俺が謝るならともかくさっきからアリーシャが謝る理由って無いんだが。
「アリーシャ、俺の考えが分かるっていうなら俺が今思ってることが分かるはずだ。それについて説明してくれ」
そう言うとアリーシャは顔を上げ、俺の顔を見てくる。
その数秒後アリーシャが抱き着いてくる。
「くうとくん! ありがとう! うれしいよっ」
「だから、俺にはわからんから説明してくれよ!」
―――こうしてますます置いてきぼりを食らうのだった。
~~~~おしらせ~~~~
また本題に入れませんでした。
遅れたうえに本題から外れた話ばかりですみませんorz
次回の更新の時までには、がっつり書き上げておきます!
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