【幕間】アリーシャの告白

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 あらすじ:クウト、ますます置いてきぼりを食らう。


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「あたしね、説明下手だからごめんね」


 あのさぁ~。今、説明の[せ]もなかったぞ!

 それを説明下手と言っていいのだろうか。



「ともかくだ、何を納得したのか説明してくれ」


「うんっ!  分かった!」


 やっと話が進みそうだ。


「さっき、ギフトの話をしたと思うんだけど、それに関係ある話なのっ!」


「ギフトって才能の事だよな?」


「そだよー。あたしのギフトは魔眼持ちなんだよ。しかもとびきりすごいやつ!」


「魔眼と言う言葉を聞くだけで凄いのはよく分かった。んで、それを聞いてもいいのか?」


 おそらくはアリーシャの核心に迫る部分だろう。




「うんっ!くうとくんなら大丈夫だよっ!」


 どうやら大丈夫のようだ。アリーシャが続ける。


「魔眼はね、見たものに対して有効なんだ。あたしの使える魔眼は、鑑識眼、見識眼、透視眼、察知眼などがあるんだけど、あたしの場合は特に強いのが予知眼、予兆眼といった未来予知や予測が出来るんだよっ!」


 うわ、それなんてチート能力。神器要らずだな。


「それでね、これを話したときの未来予知をしたから、すごく安心したんだよっ」


 安心? 何かしら不安に思って事があるのだろう。


「なぁ、安心したと言うことは、何か不安な事があるのか?」


「あたしのギフトっていろんなものが見えるから、たいていの人は怖がったり恐れたりするの。くうとくんにその感情を持たれるのが凄く不安だったんだよ!」


 確かに強すぎる力は時として恐怖の象徴になるだろう。


 それにその魔眼だと、副産物であいてがなにをがんがえているかわかる。相手の考えが見通せるなら時としてそれが枷になることもあるだろう。


 ――だが、それは短所ばかり目に行くからだ。俺はそうは思えない。




「ああ、その程度で俺は軽蔑したりはしない。だから安心していい」


 俺とアリーシャは目と目が合う。そしてこの瞬間、アリーシャは俺の考えを読んだようだ。


 「うんっ! 良かった! その言葉を聞いて安心したよっ!」


 そう言うとまたしても抱きついてくる。



 心を読めると言うのは人によって嫌悪されるのだろう。俺は隠し事はしないときめているし、するつもりも無い。それに未来予知能力があるなら俺の危機なども回避してくれるだろうし、俺にとっての守り神とも言える。心を読めるってことは浮気は出来ないだろう………するつもりはないけど。


 「あとねっ、先に言っておくけどあたし入れて3人までだからね!」


 へ?何の話だ?


「えーと、何の話?」


「いいのっ! とにかく言ったからねっ!」


 顔を膨らましながらぷいっとそっぽを向いた。俺を抱きしめながら。


 ――――こうして置いてきぼりを食いながらも、アリーシャの秘密を知ることで違和感を無くしたのだった。



 ~~あとがき~~

 色々考えた結果、このあたりで終わりにすることにしました。

 次回から本編に入ります。

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