第3話

翌朝…

学校に登校した後、宿題を確認していると、先生がこっちに向かってくるではないか。そして放った一言が「山野さん。山野さんも練習生だから韓国語しなきゃいけないだろうから…いい先生を紹介してあげるよ。ついてきて。」先生はそう言葉を放ち、教室を出ていった。ついていくと、この学校の高等科ではないか!そういえばこの学校は中高一貫だった。意味不明のまま、高等科の2年5組に着いた。

だがそこには他クラスの女子生徒まで外からしがみついて教室内を見ていた。

先生がある男子生徒の名前を呼ぶ。「パク・ソンジン。こっちにこーい!」

沢山の女子の中を掻い潜って出てきたのはとても顔立ちの整った生徒だった。

「この子に韓国語教えてやってくれないか?お前確か教えるの上手いよな?」

「分かりました。じゃあ今日の放課後ここに来て。」「はい!」

放課後…

私は足早に2年5組の教室に向かった。

やはり放課後も2年5組の前は人だかりでいっぱいだ。

(これじゃ、彼を呼べない)そう思った私は、今まで大きい声を発したことはないものの、叫んでみた。すると全員が振り向き、彼も気づいてくれた。

彼は他の女子を振り切り、私の前に来るとニコッとはにかんだ。

「それじゃあ、皆また明日ね。」彼は私の手を引っ張りダッシュで逃げた。

「あの…教室で勉強じゃ?」「あんなにいたら出来ないでしょ?カフェに行こう!」

学校の近所のカフェに到着。

「何飲む?」「えっと…じゃあイチゴミルクで」

「へぇ~!!イチゴミルク好きなんだ!実は僕も!」「そうなんですね!」

彼とは意気投合した。飲み物を持ってきたあと、彼がカバンから1冊のノートを取り出した。

そこには「日本語↔️韓国語」という名のついたノートだった。

「じゃあ、まず基本の読み方から。ここは…」彼は学校の時とは裏腹にノートに真剣な眼差しを送る。

1時間程勉強し、私はその後練習場に向かった。ミョン先生の激しいレッスンもあり時刻はもう20時…身体はフラフラにながらも無事帰宅。

クタクタの私に、親友になった美南ちゃんも心配そうな顔で見守る。

そんな中ルームメートである私に、ある相談を持ち掛けてきた沙弥ちゃん。「実はね、私、好きな人がいるの。同じ事務所の先輩で」そういってスマホをなれた手つきで操作し見せた。

「この人!イム・ユジン先輩!」見る限りやはりイケメンのようだ。だが私には興味は湧かなかった。

沙弥ちゃん曰く、昨日廊下ですれ違ったらしい。その時に一目惚れしたらしい。

恋の相談は夜中まで続いた。

土曜日…

今日は学校が休みなので朝から練習。

休憩時間に自販機の水を買いに行くと、そこには見覚えのある男性が。この前初めて事務所を訪れたときに急いでいたイケメンの男性。

ふいに彼と目が合った。

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あの日の意味 @shetan9

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