幼馴染みは平穏に済ませたいらしい

「あ?なんだよ」

 声をかけると、あからさまに不機嫌な声で言葉を返してきた。

「嫌がってるじゃないですか。その辺で

 辞めてあげてくださいよ」

「お前には関係ねえだろ」

 自分の欲のために忠実な人間は他人の顔色

ぐらい伺えるようにしてほしい。

「これ以上はほかの人に迷惑になりますので。

 速やかにお帰りください」

「……さっきから調子に乗りやがって!

 関係ねえつってんだろ!」

 いきなり胸ぐらを掴んできた。

 自慢じゃないが喧嘩なんかしたことない。

 ていうか、喧嘩する友達がいなかったわ。

 どうしよう。そう迷っていると、

「何してる!早く教室に戻れ」

 ちょうどよく先生が教室に入って来たので先輩は、俺の胸ぐらから手を離し教室を出ていった。

「それから石波。後で職員室でな」

……俺もどうやら事情聴取を受けるらしい。




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「大丈夫だった?」

「平気へいき。大丈夫だよ」

 今は学校が終わり、俺の部屋に来ている。

 あのあと先生に事情を話したら案外すぐに解放してくれて、その後はとくに何事もなく今に至る。

「私のことはほっといてもいいのに」

「流石にそう言うわけにもいかないだろ。

 親しい人が迷惑そうにしてたら誰だって助け

 たいと思うだろ?」

「それはそうだけど……」

 文月の気持ちも分からなくはない。

 下手するとあそこから喧嘩に発展して、俺やあの先輩が怪我をしたり、最悪の場合周りの人にも被害が及ぶ可能性もあったからな。

 出来る限り穏便に済ませたいのは山々だが、

それはあくまで一つの考えに過ぎない。

「怪我がないなら良いんだけど……」

「気にしすぎだよ」

「これからはなるべくああいうことは禁止ね!

 わかった?」

「わ、分かったよ」

「よし!言質取ったからね!」

 そう言うと文月は抱き付いてくる。

「み、文月?!どどど、どうした?!」

「見てる側からすると凄い不安だった。いつ手

 を出されるか分からないし、あくまで私の問

 題だから巻き込んじゃうのは嫌だし」

 そんな不安がっている文月の頭に手をのせ、

優しく撫でる。

「大丈夫、きにするな。俺も本当にやばくなっ

 たら逃げるようにするから。

 自分の事ぐらいしっかりやるよ」

「そうしてね。京くんに何かあると思うと

 不安で一杯になる」

……文月を不安にするわけには行かないな。

 これからは少しだけあの先輩のことも視野にいれて、生活することにしよう。





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テストが終わったので、これからは更新することが増えると思います!

引き続きお願いしますm(._.)m。

甘さは次に入れたいと思います!

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幼馴染みは俺の前でだけ可愛い~尚、学校では陰キャです~ @1ya12ma2to

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