第2話 天宮 紅葉
目の前に現れた美少女に見惚れて、沈黙が続いてしまった。が、彼女がその沈黙をやぶった。
「どうかしましたでしょうか?何か御用ですか?」
「あ、いや、ち、ちょっと見惚れていました。すみません!あの、えーと、昨日隣の家に引っ越してきた四宮柚木です。一応挨拶をしておこうっとおもったので。あっ、これ。つまらない物ですがどうぞ、、」
しまった!ついうっかり口が滑ってしまった。俺の馬鹿!いきなり見惚れてたなんていわれたらドン引きするにきまってるだろ!
「ふぇ!?見惚れてたなんてそんな、、お世辞でも嬉しいです。お蕎麦ありがとうございます。あ、そうだ名前。天宮 紅葉です。この春にすぐ近くの私立夕月ヶ丘高校に入学します。」
あれ?思ったより引かれてない、、正直に見惚れていたと言ってしまったのはまずかっただろうか、、そのせいか天宮さんは少し、とゆうよりかなり頬を赤らめている。発言には気をつけないとな。だが、ペコッとお辞儀をして挨拶する可愛らしい姿をみて不意にもドキッとしてしまった。かわいい、、
いやいや、ここは落ち着いて話さないと。
「夕月ヶ丘高校って俺も同じ高校にこの春入学しますよ。」
「え!そうなんですか!お隣さんが同じ高校の生徒さんなんて嬉しいです~!」
「そうですか?俺も嬉しいですよ。同じ学校の話し相手がいるのは。楽しくなりそうですしね。天宮さんはここに昔から住んでるんですか?」
「違いますよ~。二週間前くらいに引っ越してきて一人暮らしを始めたばっかです。まだここら辺のことはそこまで詳しくはないけど、何処に何があるくらいは教えられますよ!」
「本当ですか!?では、・・・・」
それから俺は夕飯の買出しのためにスーパーにいくための道を教えてもらった。
スーパーまでは徒歩約10分という点や品揃えが良い点などとても便利なスーパーだった。
今俺たちが住んでいる地域にはスーパー、コンビニ、商店街、病院などの施設があり、高校生が生活するにはもったいないと思えるほど栄えていた。
教えてもらったスーパーで夕飯の買い物を終えて、帰ってくる途中、天宮さんが歩きながら話しかけてくれた。
「四宮くんは何で、こっちに引っ越してきたんですか?」
「うーん、簡単に言うと地元の高校がひどく荒れているからですね。」
「えぇ!?そうなんですか!?、、それはその学校には入りたくないですね。」
「はい、そうですね。」
「こっちに来て正解だったと思いますよ?夕月ヶ丘高校は評判いいみたいですし。」
「そうなんですか!学校に行くのが楽しみになってきました。」
そんなたわいのない会話をしているうちに家に着いてしまった。もっと話したかったな。
少し残念な気持ちで部屋に入ろうとすると、トントンっと肩をたたかれて振り返ると
「よければ連絡先、、、、交換しませんか?」
頬を僅かに赤らめながらスマートフォンを口の前にちょこっと出した紅葉がそう言った。その可愛らしい姿をみて柚木はまたもやドキッとしてしまった。柚木の口は考えることなく声を発していた。
「全然大丈夫ですよ。逆に俺が交換したいなと思ってました。」
そう柚木が言うと紅葉は頬をさらに少し赤らめ、
「そうですか?ありがとうございます!えへへ、引っ越し先での初めてのおともだちですねっ。」と言った。
可愛すぎる、、!!そんなドキドキに耐えながらスマホをふりふりして連絡先を交換した。
今気づいたけど俺の連絡先交換してるの母さんと父さんしかいなかったの、、?
悲しい、、、まぁ中学の時にぼっちだったおれが悪いんだけどさ、、
「今日はありがとうございました。また今度お話しましょう。それと天宮でいいですよ。タメなんですし敬語も無しにしましょう!」
と紅葉が笑顔で言った。そのときに紅葉が見せたなんの裏もない幸せそうな笑顔をみて柚木はあることを思った。
「お礼を言うのはこっちだよ、町の案内をしてくれてありがとう。それと天宮、これからよろしく。」
「はい!これからよろしくお願いします!」
「はは、早速敬語になってるよ。」
「あはは、本当だ。これからよろしくね。四宮くんっ!」
彼女は可愛らしい笑顔でそういった。
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