第5話 5話だから5歳

そして、月日が経ち、5年がたった。


この世界の事等を本で調べていろいろなことが分かった。


まず最初に覚えるべきことは、この世界の文字だった。 


この世界は、16歳で成人となるため、勉強を始めるのも早い。


元世界の帝国文字に似ていたため覚えるのは、苦ではなかった。


文字は、母が教えてくれた。


母の教え方は、上手く覚えやすかった。父は、逆に脳筋で、教え方も下手くそだった。


だからいつも途中で、


「エンス、勉強ばかりしてないで父さんと一緒に剣を振ろう!男は、筋肉があったほうがカッコイイぞ!」


やはり俺の父親は間違っている。筋肉でカッコよさが決まる訳がない。


「父さん。僕は今、お勉強してるのでいいです。」


年相応に子供っぽく言った。


「レーネ、エンスは俺と違って真面目だなぁ。」


「貴方は勉強しなさ過ぎです。エンスの邪魔をしないように!」


父は、母に怒られて見るからにショボンと肩を落とした。


そんな父は、放置して。


俺が興味を持ったのは魔法についてだ。

元世界には、魔法と言うものが存在しなかった。


(魔法について勉強したい!)


エンスは、そう思いこの村で唯一魔法の使える母に魔法を教わろうと思った。


「母さん、僕、魔法が使えるようになりたい!」


母さんは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になり

「そうねぇ、エンスには本格的な魔法はまだ出来ないから、魔力を感じる練習をして魔力量を上げましょう。」


「まず最初は、魔力を感じて、体に巡回させる練習よ。繰り返しすると魔力量が自然と上がるのよ。」


「どう魔力を感じればいいの?」


「魔力は、血液と同じような物で最初から少量はあるの。だから、からだの中に意識をむけると、何かモヤモヤしたものが感じられないかしら。」


目を閉じてゆっくりと自分の内側に意識をむける。


すると、モヤモヤしたものが感じられた。


「母さん!感じられたよ!」


嬉しくてつい声が大きくなってしまった。


「そのモヤモヤしたものを体全体に行き渡らせるようにしてみなさい。」


「分かった!」


体の全体に行き渡らせるように、血液のように流した。


「エンス。そうよ!すごいわ!5歳で出来るなんてうちの子は天才かしら!」


母は大喜びで空気となっていた父に話しかける。


「すごいな!エンスは。俺なんかそれが出来たのは10歳ぐらいだぞ。」


空気になっていた時とうってかわって、大きな声で褒めてくれた。


両親は、優しくとても褒めてくれた。


ここまで褒められると少し照れるが、嬉しかった。


そしてエンスはふと、前世界の両親を思い浮かんだ。


(母さん、僕はいま平和な世界で生きています。

せっかくもらった第二の人生。しっかりと生きていきたいと思います。)


エンスが、そう思っている間に両親は、エンスの天才っぷりを広めようとしていて、またたくまに村中に広まったのでした。







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後書き

 どうもお久しぶりです。主です。けして書くのを忘れて人様の作品を読み漁っていた訳ではないです。けしてないです。(大事な事なので2回言いました。)

 さて、本作品は5話に行きました。次回は、特に考えていませんが、ヒロインを出したい気もします。思いついたら書きます。

 最後に応援などありがとうございます。投稿が遅かったら、「こいつ、サボってんな。」と思っていてください。それではまた!

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