第13話



「アイドルを夢みてる女の子が相談に来てます。」

「どう言う事だ。」

「アイドルのオーディションに毎回、落ちてるんだけど、どうしてもアイドル歌手になりたいそうです。」

「その子は、可愛いいのか?そして、歌は上手いのか?」

「そこそこ、可愛いんですが、歌がかなり音痴で…ちょっと、聴きましたが最悪でした。」

「甘い女の子だ…。

しかし、夢は、叶えてあげたいもんだ…。」

「オバケ派遣の中に歌の上手いオバケはいないのか?

女の子に取り憑いて貰って、二人三脚でアイドルにしてあげよう!」

「取り憑かせるんですか…。」

「それって大丈夫なんですか?」

「仕方ないだろう。」


「適任者が見つかりました!」


一年後


「あの女の子、今じゃ馬鹿売れですよ!

さすが、隊長。」

「そうだろう!」


   ー数日後ー


「わたし、急に音痴になったんです。

それに昭和初期の懐メロなんか歌い出して…。

聴いてくれる人、じいちゃん、ばあちゃんばかりで…

私、嫌なんです…。流行りの歌が歌いたい!」

「もう、遅いです。

沢山の、じいちゃん、ばあちゃんが、あなたの歌を待ってます…。」

女の子、仕方なく、昭和懐メロを歌い続けた…。


女の子に取り憑いたオバケは、昔、夢みたアイドルの夢が叶い、今日も懐メロのボイストレーニングを行なっていた。

今日もめでたし、めでたし!

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