第10話



「最近、うちのオバケ派遣さんの中に、人間をビックリさせてるって、苦情が来てます。

人間とオバケ、仲良く共存するようにお願いします。

ビックリさせたら解雇です。

通常勤務は、守護霊として頑張って下さい。」


「ストーカーの被害で、被害者の方が助けて下さいと来てます。

家に、お菓子やいろいろな食べ物が送られて、20キロも肥えたそうです。」


「最近、オバケ依頼所も忙しくなって来たな!」

「しかし、どう見ても、ストーカーされるような感じじゃないです。」

「どう言う事だ!」

「はっきり言って、ブス、デブ最悪です。」

「お客様に失礼だぞ!」

「お客様の前では、言いませんって!」

「オバケを総動員してストーカーの現場を押さえるんだ!」

「了解!」


   ー数日後ー

「犯人、捕まえました!

うちのオバケ派遣のオバケです。」

「何て事だ!」

「依頼者のおばあちゃんが犯人でした。

生前から、お孫さんが可愛く、亡くなってからも、お菓子などを送っていたそうです。

そして、寄り添うように、へばり付いて、お孫さんの守護霊になってたそうです。」

「お孫さんは、全く気付いてなくって、誰かが自分を見ているって、勘違いしてたそうです。

おばあちゃん、お孫さんが可愛くて、甘かったんですね!」

「泣ける話じゃないか!」

「どうしましょう…。でも、びっくりさせた事には、変わりないですよ。

解雇ですか?」

「馬鹿こけ!

おばあちゃんオバケが孫に気付いて貰うようにアピールしまくって貰え!」

おばあちゃんオバケは、孫の枕元に立ったり、孫に金縛を掛けたり毎日、毎晩、気付いて貰うように努力した。


「隊長、大変です。

依頼者のお孫さん、ビビって泡ふいて気絶しました。」

「おばあちゃん、やり過ぎだろ…」

「おばあちゃんオバケ解雇ですかね…。」

「そうだな…仕方ない…解雇決定。」


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