第10話 なら僕は学校へ行くよ
一階の探索を終え、集合場所に行くも…シスがいなかった
二階は部屋数が多い…手間どってるんだろうね。手伝う事にしたよ僕
ロビーを横切り階段へ
僕はその階段を登り切った時、パパンやイーシス様の怒鳴り声を聞いた
騒がしいね…。脳筋絡みじゃないかな?と僕は思ったよ
問題の、騒がしい部屋に行く
……
…
なんじゃいこりゃあ…∑(゚Д゚)
事件でござるっ。兄が…兄が…殺されているっ?!
「な、何があったのかなぁ?」
僕はビクビクしながら話しかけたよ
すると声を聞いたみんなが僕を見る
「イッキ〜、バカがやらかしちゃったよ…」
え?やらかしたって…そこで死んでんじゃん
「イッキさ…イッキ君、不甲斐ない義父でごめんよう…」
ん?んー…? 謝られても分かんないよ?
でもねー、現場を見たら…なんとなく?いやいや、ハッキリと分かっちゃった
「イーシス様。この度は兄、ロリベルトが大変なことをしでかしやがって、誠に申し訳ありません」
兄に代わり謝る僕
「しかし、おそらくは僕のs
「シスは…ロベルトのヤローに襲われたと、私は思っております。これはロマニア殿も同一見解です」
なんですと?! 僕のせいじゃなかったのか…。兄さん、なんて事してくれたんだっ!
僕はてっきりアノ下着のせいだとばかり…。
と、なるとだ… このアホウは
「再教育ですね、兄さんは」
「あぁ、イッキの兄とは思えない程、出来が悪い。イッキよ、なんでかな〜?」
僕は知らねーよ
「僕が生まれるまで一人っ子だったから、甘ったれたんじゃないですかね?」
「「な、成る程…」」
え?そんなんで納得すんの?
◇◇◇
「皆の者、これより1か月間ロベルトは監禁する」
"ザワザワ…ザワザワ"
そりゃ、ざわつくよねー。
あの後直ぐイーシス様とシスは、イーシス領に帰っていった
シスは泣きじゃくってたなぁ…可哀想に
「それはどうしてでしょうか?」
メイドの1人がパパンに問う
「こらっ!メアリー、旦那様に意見などー
「いや、よい爺よ。 …アイツはな、子供だから…で許される事ではないコトをな…しでかしたのだ。」
「な、なるほどー」
えー?キミも簡単に納得するね
不思議に思い聞いてみる
「ちょっと、みんないーかな?」
「「「はっ!なんでしょうイッキ様っ」」」
……
…
「…あ、そのう…。
なんでロリベルトの件、みんな直ぐに納得すんの?」
返事が凄いっ。ちょっとタジってしまったよ僕
「「「だって、ロベルト様ですから」」」
えー?! かなり評価低いよ兄さん…
なんとかフォローをっ
「でも、次期領主だよ? そこはきちんとしないとね?」
「「「………。」」」
黙んなよっ。
「イッキ〜、お前が継いでくれたら嬉しいなぁパパはっ。」
「「「おぉっ?! それなら…」」」
僕が?! ヤダよ、めんどくせーから。それに前にも面倒な事はしないって言ったじゃん
「パパン、僕前に言ったよね?」
「あ?! そうだったねー、ごめーんイッキ。 皆の者、聞いた通りだ。以後この話はない」
"ザワザワ…ザワザワ"
「「ですがっ?!ロマニアの為を思えば、イッキ様が継がれた方が良いかと…」」
あんたら僕をヨイショし過ぎだって…
「だよねー。俺もそう思うんだぁ」
アホになりつつあるパパン
「パパン、しっかり!」
「おぉっ…。イッキか、どうしたのかな?」
ヤバいな…このままだと、僕が領主になりかねないよ。
んー、だったら…
……
…
「僕は学校に行くよっ」
学校に行って、適当に過ごしてからロマニアに戻らず旅に出よう
?!
"ザワザワ"
「え?! パパ知らないよっ?」
「でしょうね、今決めたもん僕」
パパンが顔を青くさせる
「ねー、考え直さないかなイッキ?」
「嫌ですね」
「ちょっと、かあさーーんっ! 聞いてーっイッキがねーっ」
パパンが取り乱す
「あなた、どうしました?」
ママン登場
「イッキが、学校行くって〜へ、へへへっ」
かなり壊れているな
「まぁ、いいじゃありませんか。学校でもっと大きくなりますわ、イッキなら」
?!
「そ?! そうだ。そうかっ?! 気付かんかった、かあさん最高っ!」
…なんか僕の株がおかしくないかな?
大したコトした覚えないんだが…
◇◇◇
「ホントに本気なのーイッキ?」
ママンの台詞のようだが、口から吐いたのはパパンだ。
「覚悟を決めたんでしょ?あなた」
「あ、あぁ…そうだったな」
え?僕学校行くだけだよ?そんな風に言われたら、不安になるじゃない…
「でも、よく途中から入れたよね?」
「パパな、学園長知ってるし…金だよ金っ」
あらら、裏口ですかーっ。ま、行けるんなら裏口だろうが、勝手口だろうが…関係ないけどね。
「イッキ様、このバドラーもお側に…ともいきませんので、娘を代わりに連れて行ってください」
「おお、それはいいな」
は?なんでお供がいるのかな?僕は自由な1人がいいよ
「1人で大丈夫だから」
僕、子供扱いされたら怒っちゃうよ
「イッキ、食事はどうにかなるかもしれないが…洗濯は大丈夫か?」
「そうよー。あなたちゃんと朝起きれるの?」
「イッキ様、護衛を兼ねてのことでございます」
…うん。いろいろ僕だけでは無理だね
「僕の方からお願いするよ」
◇◇◇
「娘にございます。ほらほら、イッキ様にご挨拶を」
爺やに急かされている女の子
年は10代半ばぐらいか…。女の子って言ったら失礼だよね
茶髪で目つきが鋭いから、怖いっていうのが第一印象だった
「お父様…知らない人を護衛するなんて、私嫌っ」
おおぅ…性格もキツそうだよ
でもね…
「僕も知らない人に護衛されるのは嫌かな」
言った瞬間に、茶髪女子に睨まれた
「お父様っ?! なぜ何も言ってくださらないのですかっ!」
「バレットよ…。お前はまだ知らないのだ。
イッキ様の本当の御姿を…」
?!
僕の本当の姿?
ん?実は人間じゃなかったり? …な訳ないよね。人間だよ僕
「はいはい、みなさん。僕達はもう出発しますからね。あ、見送りは良いですよ?
学園が休みの時は帰ってきますよ。じゃ」
淡々と言ったが、出発が長くなれば到着も遅れてしまうのだ。後ろ髪を引かれてしまう事もないが…行動は早い方がよい
「よーし、王都に向かって出発〜!」
僕の掛け声と共に馬車が動き出す。幌の中には僕とバレットとあと2人の騎士。御者におじさんの5人だ。
5人だ。…5人?! いや、ちょっと少な過ぎじゃないかな? 王都まで距離あるよね。大丈夫かな…
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