第11話 王都

「あ?! そういえば爺よ。学園は来月からじゃなかったか?」

「そう言われれば…そのような気も…」


「「「………。」」」


「貴方たち、あの子なら大丈夫よ…たぶん」

「だ、だよね母さん…」

「このバドラーも、大丈夫な気がしてきましたぞっ!」


"ザワザワ…ザワザワ"



◇◇◇


はい、僕イッキ!

三泊四日の旅も無事に終わり、王都に着きました。道中、コレという事件・事故もなく普通…いや、ホント普通ーな旅でしたよ。

ご飯がマズいって事と、バレットに更に嫌われたぐらいかなー

だって急にいなくなるんだもの…僕としては探すよね?

それが、まさかオシッコタイムだったとは…



しかし、流石に王都っ。まず、広い!

人が多いっ! 活気もあるねー。

ロマニア領とは比べるに値しないな。まぁ、人によっては王都が嫌だって言う人もいるかもしれないが。

「イッキさ、さまっ! 逸れますよっ」

店もいっぱいあるねー。ロマニアと違う所といえば、売り物別に店が固まっているとこかな?これだと競争が激しくなるから、良い店しか残れないね

「イッキ! どこへ行くっ」

夜になれば街もガラッと変わるんだろうなぁ。ちょっと期待してたり?

「テメー、はぐれんぞっ?!」

さっきから僕を呼び止めようとする口調が、段々悪くなっているのは気のせいでしょうか…? 振り返ってみたよ僕

「そんなに強く言わな、く…ても?」

……

あら?迷子になってしまいましたね…

こんな時は下手に探さない、慌てない、動かないが基本だな


「うわーん、ママ〜っ。どこ〜、ビェェェン」

鼻水もオマケにつけてみたよ僕

「あらあら、迷子かな僕?」

ほーら、色っぽいお姉さま方が助けてくれますよ

「…うん。僕迷子っ」

「おいおい…自分で迷子って言ってるぜ?リズ、大丈夫か関わっても」

「だって、1人だよ?可哀想だよ…」

「そうかもしれませんが…私たち、これからクエストですよ?」


ほうほう…このお姉さまたちは、今からクエストとな…クエスト?!

クエストって言ったら、雑用からモンスター退治のあのっ?

「クエストってなにするの?」

聞いてみたよ


「小僧、クエストって何?か。ウチらはモンスターを倒しているんだ。クエストの中でも命がけだぞ?」

「ジェシカ、それじゃあ分かんないわよ?

いい?クエストって言うのはね、雑用か…

「ストーップ、分かりました。お姉さま方は危険な方のクエストをされてるパーティーなんですね」


「「「あ、あぁ…」」」


「ゴブリン、オーク、オーガ…もしやドラゴンかっ?!」


「「「いやいやいや…ドラゴンって」」」


「謙遜しないでください。貴方達はいずれ名を世界にとどろかされる人たちだ。よし、僕もついて行きましょう。そうしましょう」

「え?」

「は?!」

「…ムリムリっ」


「いいですか、無理かどうかなんて他人が決める事ではないんですよ。僕が出来ると思ったら出来るんです。それは貴方たちにも言えますけどね?」

無理矢理ついて行くよ僕


………

……

「なぁ、イッキだっけ? 本当に付いてくんのか?」

「もちろんだよ、ジェシカさん」

「危ないよ?それに私たちも手一杯になったら、助けられないかも…だよ?」

「リズさん、大丈夫ですよ。僕もね、一応男なんで。」

「なるべく私から離れないでね?」

「マリーさん、離してって言っても離しませんよ僕」


「「「はぁ…」」」


街の外に出たよ

せっかく王都に着いたのにもう外に出んの?って思ったアナタ、クエストだよ?もったいないよ。

「みんなっ、バンバンゴブリンを狩ろっ!」

僕はみんなに言った


「「「はぁ…」」」



◇◇◇

一方その頃


「バレット様、イッキ様がはぐれましたっ。早急に捜索をっ!」

「……」

「「バレット様っ?!」」

「お父様が…いえ、イッキであれば、大丈夫はずです。我らは宿にて待ちましょう」

実はイッキのことがどーでもよいバレット。見つかったら見つかったで…

見つからなければ見つからないで、どちらにしてもバレットには関心がなかった。

「「ま、まぁ…バレット様がそうおっしゃるなら…」」

捜索隊は出さない方向に決まる



◇◇◇


「へー、王都の近くに森なんてあるんだ」

「当たり前ですよ。少し行けば山岳地帯になりますし」

「自然を利用した防壁か…。いや、それにしては離れ過ぎているな」


「「「……」」」


「あ、ところでさっ、みんなのジョブは何?」

聞いてなかった…迂闊だったよ、僕。

「「「ジョブ??」」」

おや?知らない?


「えーと…職業って言うのかな?自分の役割みたいなもの」

「あぁ、職業ねっ。 私が前衛で、戦士ね」

と、リズが言う

"サワサワ"

ふむ。だから筋肉質なのか…なるほどね

「どこ触ってるのっ?!」


「わたしは魔法使いね。四元素なら低位だけど使えるわよ」

とマリーが言う

"サワサワ"

ほほぅ…だからお尻が良い形してるのか。コレは安産型ですな

「お尻を触らないでくれる?」


「……だ。」

おや?聞こえましたか、みなさん?

一名吃っておりますよ?

「ジェシカさん、聞こえませんよ?」

「うー…。ウチは、回復を担当してるシスターだっ!」

は?いやいや…それはどーかと

"モミモミ"

「シスターに、この硬くなったおっぱいは似合わないでしぶべらっ?

「だから言いたくなかったんだウチはっ!」

非力のはずのシスターに殴られて飛んだよ僕


「「あぁっ?!イッキくん大丈夫っ?」」

「ほっとけ!そんなヤツ」

ジェシカさん酷いっ

「ま、硬いおっぱいも好きですよ僕」

ジェシカさんが慌てて、腕で胸を庇う

おや?声に出てましたか、そうですか。


雑談しながら僕たちは森に入って行った

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