部活
窓を開けた。…だが誰もいない。なんだ?少し怖いぞ。え?あの声は?
「こっちですよ、こっち。下です。」
下?ここは一階だぞ?窓から身を乗り出し下を見る。
「やぁ、朝倉先生。お疲れ様です。」
…ヨーダンブール校長がいた。背が低すぎて窓に届いていなかったのだ。
「お、お疲れ様です。校長先生。」
取り敢えず挨拶を返す。
「あの…いい方法とは?」
そう聞くとヨーダンブールはニコニコしながらこう答える。
「部活を作れば良いのですよ。今、部活は魔法部、魔物生態研究部、武器戦術部の3つしか無いのでもう一つぐらい作ってもいいでしょう。
部員が二人いれば認められるのでダレン君とあと一人探せばみとめられます。勿論顧問は朝倉先生でお願いします。」
部活か…なる程。でも顧問となると尚更帰る方法を探す暇が無くなるな…でもダレンに恩を返したいし…
…まてよ、逆だ。帰るには科学の力は必要不可欠だ。ダレンと共に帰る方法を研究するのはどうだ?ダレンにとっては科学に深く触れることになり一石二鳥ではないか!!
「ダレン君!!部活を作ろう。最低あと一人、探せるか?」
尋ねるとダレンの顔が一気に明るくなった。
「はい!!絶対探し出します!!」
翌日からダレンは部員探しに翻弄した。学校の掲示板にチラシも貼った。しかしなかなか見つからない。
全校生徒25名。そのうち計16名が既に何かしらの部活に所属している。部活の掛け持ちは認められていない。つまりダレン以外の未だにどの部活にも所属していない残りの8名から最低でもあと一人探さないといけないのだ。その8名も興味がないとか家庭の事情とか何かしらの理由があって部活動をしていない生徒が殆どであった。その理由を覆すだけの魅力を科学に見いださせる必要がある。
俺もどうすれば授業を通して科学の魅力を伝えられるか模索していた。
そして二回目の授業が訪れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます