初授業

俺が赴任したこの学校は6才から18才までの全25名の生徒が在籍している。村の人口が少ないので必然子供の人数も少ないのだ。


6才から12才までのブロンズクラスと13才から18才までのシルバークラス、そして年齢問わず成績優秀者が集まるゴールドクラスの3クラスに分かれている。


同じクラスの中でも年齢差があるので基本的には年齢毎で授業の内容は違うらしい。同じ教室で集まって勉強するというだけだ。


各科目の担当がそのクラスの全ての年齢別の授業を教えるというのだから教師はさぞ大変だろう。


しかしながらこと俺に関してはその心配は無い。科学など皆習ったことがないのだ。クラス全員知識0。なので年齢毎に授業を分ける必要がない。


これは新米教師の俺にとってはかなり助かる。徐々に分けていく必要は出てくるとは思うがそれは追々でいいだろう。




記念すべき初めての仕事はブロンズクラスでの授業だった。


ダレンのいるクラスだ。その他にもダレンに水をぶっかけた例のガキ大将や腰巾着もいた。


計11名。名前覚えるの大変だなぁ…


しかし嘆いていても始まらないのでまず軽く自己紹介をし、授業を始める。内容はと言うと模擬授業でやったことと全く同じことをした。ぶっちゃけ手抜きである。しかし初めて科学に触れる生徒達にとっては丁度よいだろう。




生徒達の反応は思ってたより良かった。模擬授業の時のような微妙な空気になることを覚悟していたがそんな事はなく多かれ少なかれ興味を持ってくれたようだ。特にダレンはひときわ興味を持ったようで目を爛々と輝かせていた。






…好評の理由は生徒達の年齢にあった。授業の後から聞いた話だが火を起こす魔法はシルバークラスに上がるまで教えて貰えないらしい。低年齢の子供に火を扱わせるのは危険だからとのことだ。


なる程、一理ある。


ってあれ?この授業マズかったか?と思ったが後の祭りである。


一応火の扱いには注意するようにと教えたが何か大変な事が起きてしまう前に念を押す必要がありそうだ。




ということで初日から大いに反省することとなったが取り敢えずその日の仕事も終わり(やってみて初めて知ったが教師というのは授業だけが仕事では無かった)宿直室に戻る。


慣れないことをした為かかなり疲れた。仕事が終わったらどうにか帰る方法を探すつもりでいたが慣れるまではしばらく無理そうだ。


しばらくベッドの上でだらけているとノックの音が部屋に聞こえてきた。


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