あとがき

 ご存知の方も多いと思うが、前半は芥川龍之介の『蜜柑』を題材にしたものである。自分ごときがおこがましい、とは本人も重々承知なのだが、私にとって「電車」ときいて真っ先に浮かんだのは『蜜柑』だったのである。あの主人公の憂鬱さの表現と感動的なストーリーの展開が好きなのだ。仕方ない。

 芥川に詳しい友人に聞いたところ、横須賀駅はターミナル的な駅らしい。また当時の横須賀線はまだ久里浜まで延びておらず、田浦は盛んな駅ではなかったとか。

 さて、娘の家及び例の踏切はどこかのだろう。もちろん田浦ー横須賀間だろうが、どっち寄りかは定かではない。実家が田浦寄りでもターミナル駅だということを鑑みれば横須賀駅に向かうことも十分考えられる?かもしれない。ネットにはここではないかと言われる踏切も上がっていてそういった考察も非常に興味深い。また、田浦ー横須賀間の線路脇に吉倉公園というのがあって、そこには『蜜柑』の碑と芥川の子どもらが植えたみかんの木があるそうだ。ぜひ行ってみたい‼

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

汽車、バス 名が待つ @takumiron

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る