第3話辞めたい生徒会

佐伯沙耶香がある作品と名前が被ってしまっていたので桜庭沙耶香に変更します。

把握よろしくお願いします。

――――――――――――――――――――

家に帰ってからというもの、俺は心ここに在らずといった状態でどうやって生徒会を辞めるかについて考えてしまっていた。


あんな女子だけの生徒会を汚すような真似は出来ない!


けど、今更どうやって辞めればいいのか......

とりあえず一つは正直に話してみる事だ。

シンプルイズベスト。そんな言葉があるくらいだ。あれこれ言い訳するよりかはいいかもしれない。


二つ目は毎週忙しい予定が出来た。そういう事を言い訳にするかだ。

ただ、これには綿密に辻褄合わせをしなければならない。

バイトは認められていないし、複雑な家庭環境でもない。

習い事と言ってもすぐバレてしまうだろう。

一か八かで正直に言ってみる事にしよう。



翌朝、俺はネクタイをしっかりと締めて学校への道を歩き出した。



◇◆◇



五月も中旬になり、段々と日が出ている時間が長くなって日も浅い。

だから生徒会室で俺と会長を照らす光は熱を

ていて、皮膚が焼けるようだった。


「唯花先輩」


唯花先輩も何かを感じ取っているようで表情が堅く見える。


「ん、なにかな?」

「俺、生徒会やめたいですっ!」


これには唯花先輩も動揺を隠せていないようで瞳が揺らいでいるように見えた。


「そ、その理由を聞いても?」

「えっと、さすがに男ひとりじゃあ肩身も狭くて、一年間続けて行くのは大変なんじゃないかなと

思いまして......」


――バタンっ。

教科書のような物が落ちる音がして俺は、振り返る。


「な、なぎくん?や、辞めちゃうの......?」


そこには凄く寂しそうな表情を浮かべる由都がいた。


「う、うん。辞めようと思ってる......」


由都は俺の袖を掴んで上目遣いに涙を浮かべて破壊力抜群の表情で俺に言う。


「わ、私は、嫌だ、な。一年生一人になるの心細いし、凪くんもそりゃ、肩身狭いと思うけど、やめないで欲しいな......」


涙×上目遣いに俺は呆気なく陥落してしまった、


「はあ......分かったよ。辞めるのは辞める。唯花先輩も由都さんもいきなり辞めるとか言っちゃってごめんなさい」

「うん。いいよ!良かったぁ〜」


由都さんはその場にぺたんと座り込んでしまった。

俺は心配させてしまった申し訳なさと、こんなにも心配してくれたという嬉しさで心がいっぱいになった。


「ありがとう、由都。改めてこれからよろしくな」


俺は手を差し出す。


「うん。よろしく」


由都さんは俺の手に自分の手を重ねると俺は彼女の手を引いて立ち上がらせた。


「拾おっか」


由都さんが落とした紙の束をみて言う。

「そうだね」

その間唯花先輩は完全に空気だった。

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