第十九の屍
「はぁ…」
盛大なため息をつきながら、机の上に溶けているそれ。皆様ご存知の通り店主である。
「それとは何ですかまったく…。屍のくせに無礼ですね」
オイラからしてみれば、今の店主も十分オイラ達の同族に見えるんだけどなぁ。かろうじて生きてはいるが死んでるように見える辺りが。
「はぁ…。何にも言い返せねぇ、ちょーくやしい」
店主ってそんなキャラだったっけ?オイラ困惑。
「細かいことは気にすんな、そんなんじゃモテねぇぞ。…それにこの店に来る唯一と言っても過言ではないダグラスが死んだ今、客なんて来ないし…」
あの暇そうなおじさんは死んだというか店主がとどめさしたような…。
「うるさい」
というかそんなに落ち込むぐらいなら、店主が何も手を下さなくてもよかったんじゃ?
「はぁ…。そういうわけにもいかなかったんだよ」
そうなの?オイラにはよくわかんない。
「…ところで、私の過去に痴態にと、いろいろ知りすぎてしまった一人称オイラの屍がいる訳なのですが、どうすればいいと思います?」
そいつオイラにそっくりじゃん、キャラ被りで許せない。
「…当たり前だろ?お前のことだからな」
…え?店主めっちゃイケボ。
「……」
???
「もういいです、処分する気も失せました。その代わりに今から新しいお客さんを探してきてください。できますね?腐らない手羽先さん。…いや、やっぱりいいです。無理ですね…」
店主、オイラにはなんかよくわかんないけどそんな遠い目で落ち込まないで。なんとかなるって、大丈夫!
「はぁ…」
活きのいい屍専門店 ココ @cohaluco
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