第十八の屍・上
「店主…あそこまでやる必要はあったのかね?」
店主以外には誰もいない、静かな店内に、男の声が響き渡る。
「いや、まてまて、私がここにおるぞ」
…仕方ない、訂正しよう。うるさいロンド公爵を除いて、ここには誰もいない。
「公爵、当たり前です。あの日たまたま片目だけ充血してて、それをあまつさえ美しいなどと…。醜態でしかありません」
はぁ、と大きなため息をつく店主。
「そういうものかね?だとしても…せっかく育て上げた優秀な人材だったことに変わりはないのだが…」
「確かに優秀ではあったようですね。私を犯人だと推察できるほどには、ですが」
「まぁ、すでに私と店主がグルだとまでは気づけなかったという点は、惜しい、と表現せねばなるまい」
「ではいつものように処理をお願いしますね」
「もちろんだとも。すでに進めておるよ」
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