第十七の屍・裏

 「店主、第二王子殺害犯が見つかったらしい」

 店に入るなり、静かにキセルで一服していたロンド公爵は、普段とは違った真剣な顔でおもむろに口を開いた。

 ふむ?そう来ましたか。なるほど。

 「…よかった…という感じでもなさげですね?」

 …そんなにじろじろ見されても恥かしいだけなんですがねぇ。

 「…単刀直入に聞こう。店主、この件に関わってはいないかね?」

 …ほう?存外これはなかなか。

 「…といいますと?私に殺害犯と何らかのつながりがある。ということでしょうか?」

 「…まぁ、そんなわけないでしょうな。犯人は美しいあおあかのオッドアイをしていたというからなぁ」

 なるほど…。ロンド公爵、実に残念です。あなたのことは嫌いではなかったのですが、これはこれは。すこしばかり、優秀過ぎましたね。私の秘密を知るものは誰であっても生かしておくわけにはいかないのですよ。

 「さぁ、追跡者ストーカーさん、お仕事ですよ。あなたの血…、取り返してこれますよね?そうすればあとはあなたの自由ですので」


 

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