第十六の屍

 …はぁ、ついつい怒りに任せて、古代人の爪を折ってしまった。

 「店主?顔色が優れないようだがどうかしたかね?」

 「どうしたもこうしたも…って、ロンド公爵、私の顔色が分かるんで?」

 「いや?そんな気がしただけだよ。なんせ店主は普段から顔色が真っ白、いや真っ青?まぁ、どちらでもいいがまるで死人のようだ。私に違いなど分からないとも」

 …あー、そのなんだ公爵。それ以上はやめておきな?あんたのためにな。

 「うむ?何の話だね?」

 …あー、いや、まぁ…。うん…。

 「なんだというのだ煮え切らん…。まぁよい店主、古代人の爪とやらうってくれぬか?」

 「…えぇ、どうぞ?金貨5枚になりますが」

 「今回は?」

 …あーあ、言わんこっちゃない。

 「店主?顔色が優れないようだがどうかしたかね?」

 「どうしたもこうしたも…って、くすくす、ロンド公爵、お買い上げはこちらですね?」

 「うん?あーそれだ、店主よくわかったな」

 「えぇ、分かりますとも、今回が10回目ですから…」

 …公爵、店主は、ときわたり族の黒髪、つまりおいらを使って損失分、あんたから巻き上げてたのさ…。

 

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