第十の屍

 ベルモント活きのいい屍専門店。この店に対してこんな疑問を抱く方は多いのかもしれない。つまり“もうかるのか”と。

 その答えはといえば、店主の“余計なお世話です”の一言に遮られ、現在も定かではない。とはいえ、いつまでもここにある何故かなくならない店、それがベルモント活きのいい屍専門店であることは間違いない。

 そこでだ。私は極秘にここの調査をすることにした。もちろん店側にも内緒だ。

 うん?どうしてそこまでするのか、だと?

 なぁに、簡単な話だ。調査をしますと相手方に言えば、真相が隠されてしまうかもしれない。私が欲しいのは真実だけだ。虚偽を並べるだけのスクープなら、新米の記者でもつくれるだろう。

 とはいえ、の情報は私ですら最近とあるすじから仕入れたばかりのものだ。新米なんぞには嗅ぎつけられないやもしれないな。

 まぁ、そんなこんなで私はこの店をしばらく遠目から調査していこうと思う。


 「…覗き見好きな実験産物モルモットさん映像ありがとうございます。さてさて、こちらはどうしましょうかねぇ」

 

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