第八の屍
「私のことが知りたい…ですか?」
こくりとうなずくように、首元でブルっと震えたそれに店主は複雑そうな目を向けていた。
「そうですねぇ…。どこから話せばよいのやら。あなた、記憶もないでしょう?」
再び同意を示すかのように揺れるそれ。
「まぁ、そのことを良かったと思うべきか、嘆くべきか…。あなたと出会った今ですら困惑しています」
それはなぜか。
「…あなたの過去に関係があるかもしれませんね」
私の…過去?
「えぇ。…ですが私としては思い出してほしくないような、そんな気もします」
…小難しくてよくわからない。
「そうですね、私の過去が知りたいのでしたね。ではヒントを1つ差し上げましょう」
どうしてそんなにまどろっこしいことをする?
その問いに店主は苦笑交じりに答えた。
「あなたが私のことを知っているからですよ。今更語るまでもない存在、それがあなたです」
…してヒントは?
「そうでしたね、ヒントですか…。呪いの右腕さん、あなたに呪いをかけられたのが私ですよ」
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