第七の屍
女の口説き方なら俺に任せな。
そう自信満々に語りかけてきたこいつを俺は買った。
生まれてこの方、女にまったく縁のない俺としては、この出会いは運命だと思った。
まずはお前が好きな女がどんなやつか教えてみろ。
俺は幼馴染のエルのことを話した。昔から俺の後ろをついてくる妹の様なやつだ。
なるほどな…。よかったじゃねぇか。そいつお前に惚れてるね、間違いない。一回押し倒しちまえばなし崩しよ。
そうだったのか…。俺はその言葉を信じた。
「なぁエル、お前俺のこと好きなんだろう?」
「えっ?…嫌っやめて!離して!!」
最初は嫌がるかもしれねぇが、嫌よ嫌よも好きのうちってな。
そういわれたのを思い出した。
「そんなに暴れるなよ、ほんとは嫌じゃないんだろ?」
「…嫌!…やめて、あんたなんか嫌い!!」
…え?…今なんて?
呆然とした俺を残し、エルは服をおさえて走り去っていった。
「…俺、何か間違えたのか?」
そういってこいつを見た。
うーん、女心って難しいなぁ。ま、俺も初めてだったんだよ。許してくれや。
そして理解した。この、しったかぶりの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます