第三の屍

 ベルモント活きのいい屍専門店の日課といえば、当然のことながら屍の仕入れから始まる。

 「君可愛いね、どこの子?」

 「そーいうの、ほんっとにやめた方がいいと思いますわ!」

 「明日は…晴れるかな。晴れないよね…」

 御覧のありさまで賑やかなことこの上ない。

 ナンパ好きな頭蓋骨、正義感あふれる手根骨、気の弱い気象予報士の眼球などなど、今日も個性的なやつらがいっぱい来たものである。

 さてさて、私も遊んでいるわけにはいかない。

 静粛にしたまえ。まずは人数確認からいくぞ。ひぃ、ふぅ、みぃ…よし、数はピッタリそろって…うん?14人だと?おかしいな、15人いるはずなんだが。

 と、そこへ店主がやってきました。あぁ、今日も見目みめうるわしい。

 本日入荷いたしました屍14人確認致しました!…しかし15人目がどこにも…。

 店主は一瞬驚いたようですが、すぐさま入荷リストに目を通しました。

 「あーうん、そういうことか」

 そして納得したようにこちらへ近づいてきます。

 「すべてを悟った下顎骨かがくこつくん。君がその15人目の商品だよ」

 

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