第二の屍

 ねぇ、奥さん。ききました?ロンド公爵ったら飽きもせず、まーたお店に通てるんですって。風俗?ちがいますわよ。ほらあそこ、ベルモント活きのいい屍専門店。風俗に通われる方がまだマシですわ。

 なんです?ロンド公爵は屍にしか欲情しない?…そんなうわさもありましたわねぇ。てっきり嘘だと思ってましたわ。

 …確かに、ええ。そうですわね、嘘だと済ませられないことになってきましたものね。なんでも、あのお店で買ったとかいう屍と寝屋ねやをともにしたとかなんとか…。

 「おい!店主、いますぐこのありもしないデタラメを語る屍をなんとかしろ!」

 きゃー!ロンド公爵ですわー!!あの、屍趣味のロンド公爵ですわーー!!!

 「半分は真実でしたので、当方ではその申し出お受けしかねます」

 きゃー!みんな逃げて!!食べられちゃうわーー!!!

 「ええい!わかった、買う!!買うからやめさせろー!!!」

 「噂好きな肩甲骨けんこうこつ、お買い上げありがとうございます」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る