第2話 光る眼差し

今日もまた憂鬱な朝が嫌がらせにやってきた。


聞き飽きたアラームの音と同時に、真っ暗な部屋にカーテンの隙間から鋭い日差しが差し込む。


僕は寝起きで朦朧としている頭を起こし、

家を出た。


自宅から高校までは歩いて15分の距離だ。

きまって登下校は自分以外の誰も知らないような裏道を通る。


昇降口を通って、ようやく目が覚めてきたと思う頃に教室に入ると、いつもとは様子が違ってやけに騒がしい。


「今日から俺たちのクラスに新しく転校生

 が入ってくるって聞いた。」


「それ聞いたきいた!突然だよね。」


「どんな子だろう?」


「その子かなりの美人らしいよ!」




どうでもいい。


僕は真っ直ぐ席に座り、遠くの水平線を眺めた。


しばらくすると、ガラガラガラッ…(ドアが開く音)


担任「全員席に付けー、今日からこのクラス

   に新しく転校生が入ってくる、みんな

   温かく迎えてやってくれ、暁 入って

   いいぞー。」


「はじめまして。

 今日からこの学校に転校してきました、

 暁ナツといいます!

 よろしくお願いします!」


ザワザワ…

「めっちゃ綺麗」

「モデルみたいだね」


そんな声がクラスを飛び交う。


担任「じゃあ暁は窓側のあの席だ」

そう言って担任が指をさしたのは僕の前の席だった。


…………バッ(着席したナツが後ろを向く)



ナツ「よろしくね!」



外を眺める僕の視界を遮って、彼女は満面の笑みで僕の目を見てそういった…。

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