幼馴染みで仲の良かった美冬と秋人。しかしある日、秋人の目になにかが入ってから、彼の美冬に対する態度が変わりだして……。前半、美冬に突然冷たい態度で接し始めた秋人の心境がわからず、読んでいてソワソワしました。そして後半からの思いもよらない展開。そしてラストは……。今回も作者の筆致に驚かされましたね。手のひらで転がされるように、読んでいて、気持ちがどんどんと変化していきます。それでもラストは後味の良い爽やかな青春を味わえました。大満足の短編です!
旅立つ幼なじみを遠くから見送るという共通プロットから執筆する企画の参加作です。個人的に、今回のプロットで学園ものを書くのはむずかしいだろうと思っていたのですが、さらりと素敵な青春学園ストーリーが誕生しました。 恋と友情と、それぞれの想い。ほろ苦く切なくおわるのかと思いきや……? 読後感ほっこりな物語の行方はぜひ直接ご覧ください。
同じプロットから小説を書く企画参加作品です。しかし、今回はまた、すごいの書かれましたね。思わず唸ってしまいました。全体的に真夏の描写が夏っぽさを出していて、苦みのある青春ストーリーになっているのですが……。いや、なんでこの企画で真夏の描写に力が入っているの?と思ってたら、最後の一言が……。あらゆる意味で予想を裏切り、期待を裏切らない一視さんの「雪を溶く熱」。これは必読です。