第42話 Sランク闘技者を目指す理由


 そこへ、玄関のドアが開く音がして、足音が近づいてくる。


「邪魔するぞ春花!」


 リビングのドアを開け、スイカ大のバストを揺らしながら現れたのは、背の高い絶世の美女だった。つまり、春花の母親、桜華さんだ。


「あ、ママ」


 抱き合う俺を目にして、桜華さんは威厳に満ちた眼を光らせた。


「ほう、やることはやっているようだな、感心感心」


 どこのなにに感心しているのか、激しく問いただしたかった。


 酷く恥ずかしい想いをするけれど、春花はますます腕に力を込めて、大きな胸を押し当ててくる。


「うん、ボクらラブラブなんだから。それよりママ、孝也、Aランクになったんだよ。これで、ボクの縁談は白紙だよね?」


「うむ。約束は守ろう。貴君の縁談は白紙である」


 譲歩する際にも、女帝のような貫禄を失わず、桜華さんは尊大な態度だった。


「あとね、孝也から言うことがあるんだ。ほら孝也、さっきの言葉、ママにも言って」


「さっき?」


 あー、Sランク闘技者を目指すってやつか。


 ソファで春花に抱きしめられたままのポーズで、俺は精一杯凛々しい顔を作った。


「桜華さん、俺、これからも春花の事務所で闘技者を続けて、絶対にSランクになります!」


「ほう」


 俺の宣言に、桜華さんは目を細めて、笑いをこらえるように口許を歪めた。


「そうか、貴君の気持ちは承知した……ふふ、そこまで我が娘と結婚したかったか!」


「え?」


 予想の斜め上をいく返答に、俺はまばたきをした。


 なんでそんな話に、ん、いや、待てよ、何か忘れているような。


 俺は、急いで記憶を掘り起こした。


 そういえば、今までずっと、Aランクになって春花の縁談を白紙にすることばかり考えていたけど、あの時、桜華さんは確か……。




「いいだろう! そこまで言うのならば条件がある! 高橋孝也! 一年以内に闘技者ランクをAに上げるのだ! そうすれば、春花の縁談は白紙にしてやろう! ただし、Sランク闘技者になれなければ結婚は認めん! 我が娘、桜森春花と結婚したくば励むのだ若人!」




 思い出して、顔が猛烈に熱くなってきた。


 これだと、さっきの俺は、盛大な愛の告白をしただけじゃないか。


「えへへ、孝也ぁ、ボクと結婚するために、頑張ってね」

「微力ながら、わたしもお手伝いするのです。ハルカとタカヤは、わたしに戦いの場を与えてくれた恩人なのです」


 ノエルの優しさが今は辛い。


 いや、嬉しいけど。


 俺も、春花のことは好きだ。


 春花と結婚出来たら、すごく幸せになれると思う。


 でも、春花と結婚するためにSランク目指しますって、なんだか、とても恥ずかしい。


「孝也ぁ」


「フハハハハハ! 滾る! 滾るぞ! 待っていろダーリン!」


 そう叫んで、桜華さんは出て行く。


 ——春花の親父さんは、今夜死ぬかもしれない。


 俺は、まだ会ったこともない未来の義父に、黙とうを捧げるのだった。


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 本日から

【ダサメンの俺が勇者で魔王の眷属? 聖剣を使って彼女を魔王ロードに導きます!】

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 舞台は学園異能バトルですがジャンルはセクシーラブコメです。


 女の子好きの主人公が、魔王候補ヒロインの眷属として召喚されてから聖剣に選ばれ、大活躍。


 一方で、ヒロインや主人公のことを馬鹿にしていた名門魔王候補たちは活躍の場を奪われていく。という話です。


 どうぞご一読ください。

 【ダサメンの俺が~~】で本作【冒険者ギルドを追放された俺が闘技場に転職したら中学生時代の同級生を全員見返した】の宣伝をします。

 それで本作の需要が伸びたらいいなぁ、と思っています。


 また、同時投稿作品の

 【美少女テロリストたちにゲッツされました】


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冒険者ギルドを追放された俺が闘技場に転職したら中学時代の同級生を全員見返した 鏡銀鉢 @kagamiginpachi

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