　流石に肝が冷えるし、少し怖い。

　でも、きっとノエルが受け止めてくれる。仲間を信頼して、勇気を揺り動かしした。

　一方で、ノエルは真下のレオドレイク目掛けて、ジェット加速した。

　しかし、ノエルはレオドレイクのすぐ横を通り過ぎて、今度は下を取る。

「さぁ、どこからでもかかってくるのです！　このおバカな三下ドラゴン！」

　牙を鳴らし、爪を掲げて、ノエルはレオドレイクを挑発する。

　レオドレイクの注意は、完全に自分の下に向けられている。

　上空の矮小な人間には、まるで気づいていない。

　これが、こいつを倒す唯一のチャンスだと、俺は全身の魔力を全力で励起させた。

　魔力をハルバードに集中させると、大きなうねりと鳴動を感じる。

　このハルバードは、ヴォルケーノタイプのドラゴニュートである、ノエルのツノで柄を、爪で石突を、牙で穂先を作っている。

　ドラゴンの素材は魔力を増幅し、適性のある属性の魔法は効果をより高めてくれる。

　俺が魔力を爆発魔法へと変換させると、ハルバードは意思を持った相棒のように、爆発魔法をより昇華させてくれた。

　今なら、かつてない、会心の一撃を放てるだろう。

　重力落下に引かれて、俺はまっすぐ、レオドレイク目掛けて落下する。

　ハルバードを逆手に握り、穂先を真下に向け、背を反らして、力を貯めた。

「てめぇが保護動物だかなんだか知らないが、てめぇの好き勝手にはさせねぇ。俺ら人間は、お前のエサじゃあねぇんだよ！」

　レオドレイクの背中が迫る。

　俺は、逸らした背を腹筋で解放しながら、両腕の力と全体重に落下速度を込めて、ハルバードの穂先を、奴の背中に叩き込んだ。

「デトネイション！」

　ハルバードを触媒にした、渾身の爆轟魔法が炸裂した。

　その衝撃波は堅牢なウロコを砕き、爆炎は皮膚を焼き、ノエルの牙から生まれた穂先は肉を貫き、レオドレイクの背中に深く突き刺さった。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■！！」

　断末魔に近い悲鳴を上げて、レオドレイクは苦しんだ。

　仕留めた！

　確かな手ごたえに勝利を確信した直後、あらぬ力に、俺の体は振り回された。

「うわっ！？」

　レオドレイクは死んでいなかった。

　苦痛から逃れようと、背中の俺を振り落とそうとするように、全身を振り乱しながら翼を大きく羽ばたかせて、暴れるように空を飛び回った。

「タカヤ！」

　レオドレイクの無軌道飛行に、ノエルもどうすればいいかわからない様子だった。

　３６０度あらゆる方向に回る五感に支配されながらも、俺はハルバードだけは決して手放さないよう、意思を強く持った。

　骨の奥から力を絞り出すように、手が痛くなるほど握りしめながら、穂先をより奥まで突き入れようと、腹筋に力を込めた。

「デトネイション、連発だぁああああああ！」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■！！」

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　８００００ＰＶ！★ ３７５！♥ １３８２達成です！

　そして総合週刊ランキングで３３位から３１位になりました！

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