第38話 元Fランク冒険者、ドラゴンライダーになる
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」
レオドレイクが、大型バス周辺の人々に向かって、口を開けて襲い掛かった。
老若男女の人々が悲鳴を上げるや否や、ノエルの頭突きが、レオドレイクの胸板に炸裂した。
レオドレイクの喉から、野太い声が漏れた。
バス周辺の人々は、唖然と口を開けていた。
俺は叫ぶ。
「今のうちに逃げて下さい! こいつは俺らがなんとかします!」
空へ逃げるレオドレイクを追いかけて、俺らも上昇する。
ジェット噴射がある分、スピードはノエルの方が上だ。
ノエルが、レオドレイクに追いつき追い越そうとする。
「■■■■」
レオドレイクは振り返り、爪を振るってくる。
その一撃を、俺は振り上げたハルバードで弾き、ノエルを守った。
「おいおい、嫁入り前の娘に手を出すなよ!」
「■■■■!?」
ハルバードの穂先で受け止めた爪が欠ける。
まさかの事態に、向こうも驚いている様子だった。
レオドレイクは方向転換して、距離を取ろうとする。
ビルよりも高い空へ達して、周囲の安全を確保すると、ノエルが口を開けた。
「逃しませんよ。喰らいなさい。これが、ヴォルケーノブレスです!」
先天的に強力な爆発魔法の力を持つヴォルケーノタイプのドラゴニュートであるノエルの口から、爆炎が放たれた。
上空のレオドレイクは顔色を変え、翼を大きく動かした。
緊急回避行動でなんとか爆炎を避けるも、それはノエルの策略だった。
ノエルはその隙に距離を詰め、レオドレイクに組み付いた。
レオドレイクの両手が封じられている間に、俺はノエルの背中を蹴って、レオドレイクの顔面に斬りかかった。
ノエルの牙から作ったハルバードを、思い切り振り下ろした。
しかし、レオドレイクは長い首を機敏に動かして、またも回避する。
「まだだ!」
穂先は空振るも、まだ魔法の射程圏内だ。
レオドレイクの背中に穂先を向けて、俺は爆轟魔法を撃ちこんだ。
「■■■■■■!」
低く唸って、レオドレイクはノエルを振りほどき、俺には炎を吹き付けた。
「うっ」
迫る熱気に、腕で顔をかばった直後、全身が炎に巻かれた。
「タカヤ!」
重力に引かれて落下する中、ノエルが手で受け止めてくれた。
「大丈夫ですか?」
「ああ。さすがはノエルの髪でできたスーツだ。耐熱性は抜群だな。それでノエル、どんな感じだ?」
レオドレイクを中心に周回して、様子を見ながら、ノエルは残念そうに答えた。
「パワーは向こうが上です。接近戦に持ち込むのは危険ですね」
「けど、あいつの飛行能力はかなりのものだ。遠距離から爆轟魔法やヴォルケーノブレスを当てさせてくれるとは思えない」
攻めあぐねながら、俺は自分の握るハルバードを意識した。
このハルバードは、ノエルの牙から作り出した一品だ。
いくら上級ドラゴンのレオドレイクでも、金属質の体を持つアーマードラゴンでもあるノエルの牙よりも硬いウロコをしているとは思えない。
こいつを一発ぶち込むことができれば、勝機はあるはずだ。
「ノエル、上下から挟み撃ちにするぞ!」
作戦内容を告げると、ノエルは息を呑んだ。
「それではタカヤが危険すぎます」
「それでもやるしかないんだ。俺もお前も、ドラゴン相手の戦闘経験はほとんどない。多少の無理な奇策は仕方ない。頼むぜ、相棒」
恨めしそうに、でも嬉しそうに、ノエルは言った。
「卑怯な言い方をするのですね。でも、わかりました。信じていますよタカヤ」
ノエルは、俺を抱えたまま急上昇した。
レオドレイクの上を取ると、俺に強烈なGがかかる。
「えい」
ノエルが、俺の体を真上に、ボールのように投げたのだ。
重力に捕らわれたまま、俺の両足は空をかいた。
流石に肝が冷えるし、少し怖い。
でも、きっとノエルが受け止めてくれる。仲間を信頼して、勇気を揺り動かした。
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