第24話 中学時代の同級生たちとの再会


「あれ、孝也じゃん奇遇だな」

「ほんと、偶然だね」

「最近調子いいみたいじゃねえか」


 男女合わせて六人のそいつらは、中学時代の同級生たちだった。


 つまり、俺が冒険者ギルドをクビになった日、光良と一緒になって俺と冒険者業界のことを馬鹿にして笑いものにしてきた、あいつらだ。


 この前とはうってかわり、今日は随分と好意的な表情だ。


「孝也くぅん、孝也くん今日なにしてたの?」

「何って、PVの撮影だけど?」

「え、PV? すごーい。そんなのに出れるぐらい有名なんだぁ」

「桜森さんも、今、事務所の社長しているんでしょ?」

「やっぱ俺らなんかとは違うよなぁ。流石は桜森グループのご令嬢」

「オレらも同じ中学出身として鼻が高いよ」


 こいつら、何を企んでいるんだ?


 実のところを言えば、俺らは今、かなり名前が売れていた。


 春花の作戦通り、プロデューサーの全個人資産、公開ボウズ頭、活動停止、の三つを賭けたあの試合は注目された。


 さらに、公開ボウズ頭にされた光良の抵抗と言い訳が凄まじく、バリカンで頭を刈られたときの映像は、あらゆる動画の素材に使われている。


 昨日、ノエルがスマホで【最終鬼畜財前光良】【財前光良でゲッダン】【ナイトオブ財前光良】【財前光良のグルメレース】【財前光良VSヤンデレ妹】などを見ていた。ノエルはちょっと楽しそうだった。初めて光良が役に立った。だけど光良のことは許さない。


 結果、素材元の動画、試合で検索する人も増え、闘技業界に新規参戦した桜森事務所と俺らの名前は、闘技に興味のない一般の人々にまで知れ渡るようになった。


 元同級生たちも、そこから俺らのことを知ったのだろう。


「わー、ノエルちゃんちっちゃかわいい」

「ねぇねぇねぇ、三人はこれからどこ行くの?」

「これから三人でご飯食べに行くの」


 春花は、珍しくややそっけない態度で言うも、同級生たちは不自然なハイテンションを作る。


「あ、ぐーぜぇーん。あたしたちもこれからお昼食べるんだぁ」

「春花たちも一緒にいこうよー、色々と話、聞きたいしぃ」


 連中の態度に、俺は腹が立った。


 今までずっと光良に追従して、俺のことを馬鹿にして、俺が有名人になったら手の平返しですり寄ってくる。


 俺のことを利用する気満々なのは当然、そんな態度をされて俺が受け入れると思っているのもムカつく。


 俺のことを、どれだけ軽く見ているんだ?


 一言言ってやろうと、俺が口を開くと、先に春花が言った。


「あーゴメン、ボクらこれからインタビューを控えていて、すぐ食べてすぐ戻らないといけないから。それにもうレストラン予約しちゃっているの」


 俺とノエルの腕をつかむと、春花は突き放すようにして、その場を離れようとした。


 それでも、連中が食い下がろうとすると、春花は気軽く提案した。


「闘技者業界のことを聞きたかったら、きっと光良が教えてくれるよ。彼も今、業界人だから」


 六人組の顔が、気まずそうに固まった。

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 皆さんのおかげで本日、7000PVを突破することができました。

 そして先日、現代ファンタジーの週刊ランキングで11位になったと書きましたが、本日週間ランキング8位になりました。

 読んでくれた皆さん、ありがとうございます。

 また、この場を借りて、支援してくれた方々へ感謝を。

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 この調子で、本作の需要を伸ばし、発展させることができればと思います。

 では次回、25話でお会いしましょう。

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