第29話 押し付けるなら銃口じゃなくておっぱいだろがゴルァ!

 いつものように、閣議は朝食を食べながら始まった。


 いつもと同じシチューにサラダ、ベーコンハムエッグではあるものの、オウカが作ったと知ると、なんだかいつもよりおいしく感じられた。


 オウカにほだされる自分を叱咤しながら、各部隊の経過報告を聞いた。


 結論としては、作業自体はどこも順調のようだ。


 だが、問題は金だ。


 オウカが、鋭い視線でみんなを見回しながら、威厳のある声で語った。


「前政権の国王が紙幣を刷り過ぎた。現状、すでにハイパーインフレ状態で紙幣が紙切れ目前だ。現在、造幣局と国立印刷局に通貨を作らないよう通達したが、金の信用を取り戻さねば、本当に紙切れ同然になる。参考までに、日本銀行は一万パシクドルを一円で両替すると言っている。パシク安もいいところだな」


 1パシクドルは、100パシクセントだ。


 つまり、たとえが正しいかはわからないけど、金の信用度は日本円の100万分の1。100万倍のインフレ、みたいな感じか?


 ちなみに、GDPは日本が5兆ドルで世界第3位。一方でパシクは205億ドルでジンバブエに次ぐ115位だ。


「現在、退陣させた政治家たちの財産を差し押さえ、宝石や貴金属、美術品を、順次企業に渡して政策に必要な物資を調達している。だが、そんな一時的な金では根本的な解決にならない。我々に必要なのは【財源】なのだ」


 途端に、会議室がざわつく。


「インフレってどうやって抑えればいいの?」

「金の信用ってなんだ? 人は金の信用をどうやって決めているんだ?」

「パシク安? 1万パシクドルで1円なんでしょ?」

「パシクドルの数字が上がっているのになんでパシク安なの?」


 みんな、眉間にしわを寄せて、隣近所と相談し合うばかりだ。


 無理もない。

 彼女たちはテロリストで、国軍を倒し、クーデターを成功させた、一流の戦士かもしれない。


 けれど、軍事的な強さと、内政力は別物だ。


 日本でさえ、経済に暗い政治家は珍しくない。


「そこで、私に考えがある」

「流石はオウカ殿であります。それで、その考えとは?」


 オウカの首が回って、顔がくるんと俺に向けられた。なんだか、嫌な予感がする。


「おいショウタ、なんとかしろ」

「ええええ!?」

「貴君は我らの知恵袋だ。頼む、この国の為に知恵を出してくれ」

「どんな無茶ぶりだよ」


「姉様がなんとかしろと言っているのだからとっとと知恵を出すのです」

「わかったからお前は銃を下ろせ!」

「銃口じゃなくてグリップ部分にしてやっているのだから感謝するのです」

「どこに感謝ポイントあるんだよ! 押し付けるならおっぱいにしろ!」

「ぬぁああああ! この変態おっぱい国民!」


 拳銃のグリップ部分をグリグリと頬に押し付けてくるナナミに負けじと、俺はナナミのぷにぷにほっぺをつまんでやった。

 おっぱいを揉まないのは武士の情けだ。俺は武士じゃないけどとにかく情けだ。


 ――あぁ、ナナミのほっぺはモチプニで気持ちいなぁ。


 ナナミの柔肌を楽しみながら、俺は頭の中で、最強異世界転移計画書の経済編を開いた。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 翔太もなかなかたくましくなってきました。 by鏡銀鉢

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